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COVID-19 Syndrome Part ⅩⅩⅩⅥ [日本の腐りきった政治をぶっ潰せ!]

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<2015年7月29日 ドイツ・ドレスデン 『君主の行列』と呼ばれるマイセン陶器の壁画>
 歴代ザクセン王国の君主の行列の壁画は2万3000枚のマイセン陶器で出来ていている。1871〜1876年に制作されたこの壁画は、ザクセン王国歴代35代の王の行列が描かれており圧巻である。陶器で有名なマイセンはここから25kmという位置関係にあるが、それは旧ザクセン王国の貴重な財源であった。当時白い陶器は金に匹敵するほど高価なものであったという。そのドレスデンも、第二次境大戦の空襲で市街の建物の殆どが破壊され、市街は文字通りの焦土と化した。だがこの『君主の行列』は奇跡的に破壊されずに残ったものの一つで、今ではドレスデン観光では絶対外せない『名所』のひとつとなっている。

『この感染症で何故日本では死者が少なかったかの論証として前編

<2020/06/28 17:02 訂正>

(前編)ではなく、(第一章)に訂正します。次号を書き進めていく間に、結構長い論考となることが明らかになりました。第何章までいくのかは、更に書き進めている現段階に於いては不明です。悪しからず。

 前回は『日本では諸外国に比べて圧倒的に接触機会が少なかった』と述べた。これは新型コロナウイルスに因る死者の数が、諸外国と比べ圧倒的に少ないという事実から、その解を推し量ったものだ。だがこの推論に疑念を懐かれた方もいるだろう。

 しかしこれは単なる推測や推論ではなく紛れもない事実だ。

 筆者はこの事実から何故日本ではそうなったのかを検証且つ推論した。そこから得られた答えは『日本人であるが故にそうなるのは必然だった』という結論に達した。

 この『日本人であるが故に云々』とは、日本人の民族性と文化と生活習慣と長年の慣習とそれらを一切合切を内包する日本の歴史と、戦後の日本が辿った社会構造の変化と国家の在りようの変化から必然的にそうなったということを表している。

 ただし勘違いしないで頂きたい。これは民度とは何ら関係のない話だ。

 このレポートは、日本ではなぜ死者の数が諸外国と比べて少なかったかを、医学や疫学といった自然科学からのアプローチではなく、歴史民俗学や文化人類学、あるいは心理学といった人文科学分野からのアプローチによって探る試みである。

 ただし筆者はそうした学問とはまったく無縁な立場にいる事を初めにお断りしておく。学があるとしたらそれは雑学であり耳学問だ。故に民間人というか市井の人の一見識・一意見として述べたものと解釈して頂きたい。

 だがそのことが筆者のこの論説の価値を些かも減ずるものでないことは、このレポートの内容を以て証明できると考えている。何も学者や研究者だけのために学問がある訳ではないし、学者や研究者や専門家のみに学術的探究心や洞察力や分析能力がある訳ではないことをこの機会に証明してみせよう。

 故にこれ以降、極力人文科学的観点に立脚して、日本の新型コロナウイルス禍に於いて、なぜこうも死者の数が欧米諸国と比べて少なかったのか、また極東アジアを中心とした東アジアや、南半球にあるオセアニア地域でなぜ死者が少なかったのかを考察しその結論を得ようと思う。

 専門分野でもなく市井の人間であるにも関わらずそうするのは、幾らウイルス性感染症の検証とはいえ、これまでの経過からして医学を中心とした自然科学からの検証・研究だけでは、答えが容易に見つからないだろうと考えるからだ。恐らく自然科学分野から納得いく答えを見いだすには、まだまだ完全なる検証を可能にするだけの事例も時間も足りないだろうと思われる。

 なお誤謬には十分気をつけて記述するが、もし内容に誤りがあったなら遠慮なくご指摘頂ければ幸いです。真摯に受け止め善処します。それから何処ぞのネトウヨさんのように「無論、誤解やバイアスがかかっている事は承知です」などという事実の歪曲を肯定するような開き直った態度は一切取りません。あくまで公平中立、不偏不党の精神でこのレポートを纏めます。その点についても疑義があれば遠慮なく仰って下さい。冷静で論理的、かつ率直にお答えしたいと思います。

 ところで筆者がそうするのは、死者の数が諸外国と比べ圧倒的に少ない本当の理由、つまり原因を突き止められれば十分な対策が取れるが故に、第2波あるいはこの冬以降に想定される感染流行や感染爆発を、かなりの確度を以て抑えられると確信しているからです。

 しかし国民の代表たる国会議員は、与野党共にその責務を全うすることなく、この秋以降の感染症対策がまったく出来ていないまま、政局を優先させ通常国会を閉会して政治の空白を生み出してしまいました。とても残念です。

 そういう訳で、筆者が今何よりも懸念しているのは、第2波以降が来た時に日本が延いては日本国民が、その感染の荒波を果たして乗り越えられるだろうかというただ一点のみにあります。この晩秋以降が特に懸念されます。

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 新型コロナウイルス対策を練るには、まずは日本人の民族的気質を改めて知る(自覚する)必要がある。なぜなら第1波をどうにかこうにか遣り過ごせたのはこの民族気質があったからである。それがなければこうも被害が軽微で終わる訳はなかった。故にまずは『日本人気質談義』という余談から始めることにしよう。

 日本という国家形態は成立した時から1300年以上もの間、一度も(長期に渉り)他民族に征服されたことがなかったという長い歴史がある。鎌倉時代中期に中国王朝の元とその属国であった高麗(今の朝鮮民族の祖先)が日本に攻めてきて以来、国難に遭った時には必ず神風が吹き日本を守ってくれると信じられていた。(そういった意味でも日本人は迷信深い民族だといえるだろう)

 そうして我が国の長い歴史を振り返ると、神風が吹かなかったのはアジア・太平洋戦争の時くらいのもので、それも突き詰めて考えれば日本の戦いに正義もましてや大義名分もなかったからだという解釈も成り立つ訳だ。

 何しろ日本の八百万の神は悪に手を貸さない。普段は寛容だが一旦悪業を目の当たりにすれば、たちまち辺りを炎で焼き尽くすほど、激しい気性を持つ神々が多い。なにしろ神々からしてが上位の神ほど潔癖症で嫉妬深く、ましてや日本の神話から言ってもその子孫であると考えられてきた我々日本人がそうでない訳がない。

 それからすれば、大東亜共栄圏などというスローガンを掲げて、東アジアを武力を以て侵略することによって、日本の活路を見いだすという行為は結局間違っていたということになるのではなかろうか。筆者は松岡洋右が唱えたことから始まった大東亜共栄圏には構想も含めて元々正義はなかったと考えている。

 もしそこに正義があったというならば、米国占領軍が去って日本がサンフランシスコ講和条約の締結を以て主権を回復した後に、太平洋戦争という米国から押しつけられた呼称などではなく、戦前の日本側の呼称であった大東亜戦争という戦争名が復活しても良かったはずだ。だがそうはしなかった。主権を回復したにも拘わらずだ。

 それは当時の国民の大多数が、未曾有の敗戦により日本人としてのアイデンティティーと自信をなくし、戦争は二度としたくはないと思ったことに起因している。あれは間違った戦争だったのだと思っていたからこそ、この戦争名が復活することはなかったのだと考えられる。けしてアメリカの占領政策が功を奏しただけではないと筆者は考える。

 それとも改憲論者のようにあれはアメリカから押しつけられたのだと、今更ながらに犬の遠吠えでもする積もりなのだろうか。何でも後で言うのは簡単だ。その時に適宜主張すべきであったのだ。結局長いものに巻かれろでその場を遣り過ごしたばかりに後で苦労や難儀をする。これも日本人の特質と言えるだろう。

 そうして今は様々な論議を尽くして、公的には「先の大戦」、国民の多くは「アジア・太平洋戦争」、という名に落ち着いている。(現実には一部の「政治化したい輩」が未だ騒いでいる)

 この論説は、そのように太古の昔から大化の改新を経て律令制後が確立し、日本が国家の体を成して以来連綿と一つの統一した国家群を維持してきた歴史を持つ、単民族に近い国民で構成される日本人社会の特異な集団心理が、この災禍でどの様に作用したのかを究明し、その事によって原因を突き止めようという試みである。

 更に言うならば日本人と日本という国家の本質に迫る報告でもある。

 閑話休題。

 言わずもがな日本では諸外国に比べて圧倒的に接触機会が少なかったというのは、死者が少なかったという厳然たる事実から推測すれば誰しもが見出すであろう結論だ。

 接触機会が多かったならそもそも感染者が少ない訳がないし、感染したら死者も多くならざるを得ないのに実際にはならなかったことから、容易にそれは推察できる。しかも日本は感染リスクが高かったにも拘わらず、感染機会は逆に低かったのだという結論にならざるを得ない。

 そしてこの点を掘り下げていけば、日本で新型コロナウイルスの感染者が少なかった理由(原因)を突き止められる。原因を突き止められれば第2波以降の感染拡大期を迎えても、(今までのように手探りではなく)しっかりとした防疫対策も感染抑止策を講ずることも可能となるだろう。

 ところで筆者は、欧米と比較して日本で死者が少なかった原因はひとつではないと考えている。核になる要因は一つだが、その他にも要因はあってそれらが相互に作用し合って予想された数値よりも死者が少なかったという結果を生んだと考えている。

 しかもその一つ一つは曖昧模糊としたものではなく実に明快だ。それを秩序立て、どうお互いに作用し合って今回の災禍を(1月16日に国内初の感染者が発見されてから緊急事態宣言の解除までの間)乗り切ったのかを解説する。

 先ずは、今後の予想について触れておこう。

 第1波は乗り越えたが第2波を乗り越えられるかどうかは極めて不透明だ。第1波では、外出を自粛して感染リスクを80%減少させようとか、3密の励行とかソーシャルディスタンスの確保といった政府の方針に、未知のウイルス性感染症ということと初めての経験ということもあって、また不安を煽るマスコミ等の報道の影響もあって、大多数の国民が何の疑いもなくそれに付き従った。

 その結果いつの間にか感染のピークを乗り切ってしまった。だがこのいつの間にか乗り切ってしまったこと自体が、今後問題となるであろうと筆者は指摘しておく。想定されたほど被害は大きくなかった。というより想定よりあまりにも犠牲は少なかった。そうして拍子抜けした後に残るのものは何か?

 それは反動しかないだろう。強い揺れ戻しが起こったのだ。現実にはスケープゴート探しが始まった。曰く「緊急事態宣言などする必要はなかったのだ」、「実効再生産数がそもそも抛ってけば欧米並みの2.5になるなどという嘘をついたのは誰だ!」、「マスコミが視聴率稼ぎのために必要以上に不安を煽った」、「必要もない緊急事態宣言のせいで日本経済はガタガタになった」等々数え上げたらきりがない。

 先に言うならまだしも後からからそんなことを言うその不見識。恥ずかしいとは思わないのだろうか。現時点で先行きが不透明なのにそんな犯人捜しをしたり気に入らない相手を糾弾してもどうなるものでもないのは明らかだ。却ってそうして騒げば騒ぐほど日本人の民度が低いことを露呈するだ。

 欧米人に限らず、精神が成熟した大人はあらゆる情報を勘案して自分の取るべき行動(言動)を決定する。ゆえにそれがハズレても文句は言わない。何しろ自分の意思で決めたのであって、誰かに強制されて決めた訳ではないからだ。それこそ真の自己責任というものだ。

 誰かに言われたからその通り遣ったのに、結果は自分の望むものではなかった、といって文句を言うのが日本人の悪いところだ。日本人には自己が確立していない『大人こども』が多過ぎる。

 しかしそれが日本で新型コロナウイルスによる被害が少なかった要因の一つだ、と言ったら驚くだろうか。

 しかしそれは真実なのだ。日本は昔から御上を崇める精神風土があり、御上の言うことなら多少疑義や不満があっても『触らぬ神に祟りなし』とばかりに受け入れてしまうのだ。

 欧米人には不思議に思える、余り考えもせず御上(今で言うなら為政者)の言うことを唯々諾々と聞いてしまう日本人気質。そして後で文句を言う。本当に日本人は何を考えているのか分からないと思われてもしかたがないだろう。

 筆者に言わせれば。「だったら先に言えよ!」、ということになる。日本ではその様な後で文句を言う行為を負け犬の遠吠えと言う。そんな文句など誰も聞かない。

 付和雷同で定見や一見識を持たないが故に、周りに翻弄され結果的に根拠もない噂に振り回され右往左往する。それは結局日本人の自業自得ではないのか。真贋を見抜く洞察力も嘘も見抜く力もないからこそ、周りにただ流されてバカを見る。それを後で怒ったり憤って非難しても結局はそのツケは自分に帰って来るだけだ。

 そうして犯人捜しやスケープゴート叩きに血道を上げる暇が少しでもあったなら、先のことに目を向け将来に今から備えるべきなのではないか。そうあるべきなのに、第1波を実感を持てないままに大した災禍もなく遣り過ごした結果、新型コロナウイルスは実は大したウイルスではなかったのだという風説が巷間を賑わす。

 そうして今まで不便を強いられた不満をぶちまける。結局自分が選択した結果だという自覚がない所為だ。自分が選んだ結果なのに他人の所為にする。己が確立していない実に日本人らしい反応だ。

 その結果は火を見るよりも明らかだ。第2波が来た時にはその慢心故に第1波の時のような警戒心がかなり薄れているだろう事は容易に想像できるからだ。医療体制も今のままでは不十分だ。検査体制も一旦パンデミックが起きたら対応できない。

 抗体率は未だ0.1%で集団免疫など遙か先のことだ。インフルエンザのように特効薬もワクチンもない。そんな中でこの慢心がどう作用するのかは、心理学者や社会行動学者に聞くまでもない自明の理であろう。

 現実を見ればネットやTVなどのマスメディアを見る限り、自分は感染しない、あるいは感染しても大したことはない、と考えている日本人が相当数いるのではないか。そういう人たちは恐いもの知らずというか蛮勇というか、まさに「〇〇〇蛇に怖じず」状態に陥っているのだと思う。

「和を以て貴しとなす」のが国民性の筈の日本人の中で、今自己チューで自制が効かない日本人は確実に増えていると考えられる。筆者の感覚では日本人全体の20%近くがそういう人たちで占められているだろうと推測している。つまり10人いれば2人は自分勝手で他人の迷惑など考えない人たちだ。

 緊急事態宣言が布かれている期間中も、パチンコ屋に行ったり賭け麻雀をしたり、県境を越えて海や川に行って、立ち入り禁止区域に入り込んでキャンプをしたり、ジェットスキーに乗って傍若無人な行動を繰り返す。そうでなくても宣言以前と何一つ変わらぬ生活パターンで、レジャーを楽しんだりといった人たちが存在したが、そうした者もこの中に含まれる。

 自己の欲望を抑えられず、自己主張が強く人の意見を聞かない唯我独尊タイプ。このタイプは今確実に増えている。やがて日本人の精神性の一つ、或いは国民性と呼ばれるようになる日も近いのかもしれない。

 ゆえに謙譲は日本人の美徳とされたが今は違う。日本人の質は急激に落ちていると言わざるを得ない。どうもSNSの隆盛とそれは時を一にしているから、誰しもが気兼ねなく自由に意見を言ったり発信できる環境が、それを助長させたことはほぼ間違いないところだ。

 だがこれはSNSを否定している訳ではない。現にSSブログはSNSの一つだ。どんなことにも良い面と悪い面があるということだろう。しかしそれを認識しているかいないかでは雲泥の差がある。SNSは諸刃の刃だ。下手をすれば禍必ず我が身に及ぶ。

 ところでこうした日本人の精神性の変容が日本人の行動パターンに影響を及ばさない筈はない。人口の20%も自己チューがいれば、それが全体の動向を左右するのは当然だ。人は声の大きい者や威勢のいい(強引な)者に引きつけられる傾向があるからだ。

 それに日本人の過半は付和雷同型で定見を持たない。現に明治維新以来幾たびも紛争や戦争が起きたのは好戦論者の強い意見に引き摺られ、世論が戦争の方向に靡いたためだ。それに日本人は周りに感化されやすく学習効果がない。故に日本人の国民性が知らず知らずのうちにしかも劇的に変化していることに、大多数の国民が気づいていない。これは危うい。

 こうした精神的変容を背景に、本当は大変なことが起きているのに大したことはないと高を括る傾向は、これから強くなることはあってもなくなることはないだろう。

 いまのところこの事実は日本の新型コロナウイルスによる感染者数や死者数が、(現時点では)当初想定された数値よりも遙かに少なかった事には影響していないが、新型コロナウイルスへの感染リスクの軽視と慢心がこのまま拡散すれば、日本の将来は極めて危ういだろう。

 こうした自己主張が強く自己チューな人々の中には、一部の知識人の言葉を借りて「新型コロナウイルスは恐れるに足らず。インフルエンザと大して変わりがないんだ」と嘯く者もいる。だがワクチンも特効薬もない現在の情況で、果たしてそう確信を以て言えるのだろうか。新型コロナウイルスの他のウイルスにはない特性故に、ワクチンが出来るのは3年後という話さえあるのに。

 だが大概が虚勢を張っている愚か者だ。それでも新型コロナウイルスの脅威を軽視する者がいるだろう。そういう輩にはこう言ってみるとよい。

「そう言うんだったら実際に感染してみせてくれよ」

 そう言われて、わざわざ自ら感染してみせる勇気など、実際には誰一人持ち合わせてはいないだろう。つまり何処ぞの「口だけ総理」と同じ有言不実行型人間の範疇から抜け出せない単なる臆病者にすぎない。

 こんな唯我独尊で自己チュータイプだが、現実の世界ではおおかたが大人しい。案外人目を気にするのだ。その反面人の眼が及ばないところでは大いに本性を現す訳だ。だからネットの中だけの内弁慶などという者が現れる。虚勢を張って誰かのニュースに自分の根拠のない言説を載せてリツイートして、日がな一日フェイクニュースを垂れ流す。

 だがいつまでもその立場に甘んじる訳がない。なにしろ本性は唯我独尊で自己チューなのだ。そんなことでしか自己の存在を世の中にアピールできない己の身をいつか顕在化して周りにアピールしようと考えるのは必定だ。何しろ欲望を抑えきれない人たちなのだ。

 結局そういう人たちが感染機会を増やし感染リスクを高めることになるだろうことは想像に難くない。筆者は確証こそないものの、第2波ではこの20%の人たちからクラスターが発生し日本をパニックに陥れるだろうと予測している。

 そうなってもそうならなくても今のまま何の対策も講じなかったら、たとえ小規模なクラスター感染でも同時多発的にそれが起これば、確実に医療崩壊を起こすだろう事は想像に難くない。院内感染も今度は深刻な状況で起こり得るだろう。

 なぜならもう国民の過半は間違いなく80%の外出自粛はしないだろうし、3密も緩んで意識の外にあるだろうと思われる。国民のフラストレーションはそれほどまでに高まっている。

 つまり条件的にはパンデミックは避けられない情況にある。

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 生きている以上、感染しない者など、この地球上にただの一人も存在しない。

 言わずもがな、人はこのウイルス性感染症に直接晒されれば必ず感染する。誰でも考えて見ればすぐに分かる話だ。新型コロナウイルスが常在する環境で、知らずにそれに接触すれば誰であっても間違いなく感染するのは当たり前の話である。

 実際に手や顔などの身体に付着して、それが口や鼻孔や目を通して体内に取り込まれれば感染するのは自明の理。そして一旦体内に取り込まれた場合、当然ながらその感染率は100%だ。それは抗体の有る無しに関わらないから、他の者に感染させる恐れさえある。

 現在までに分かっているのは、発症率は感染者の2割、その2割のうちの13〜20%、つまり全感染者の3〜4%弱が重症化するという結果が出ている。

 そして日本は発生源の中国に隣接して早い段階から強度の感染リスクに晒され、世界中から集まった国内外を行き来する外国人や邦人の観光客の往来も当初は無制限だった事から、2月・3月の感染リスクは欧米に比べても、飛び抜けて高かったと推測される。つまりもっと感染者が発生しても少しもおかしくはない状況にあったのだ。

 しかしご存じのように日本では検査体制の不備や医療崩壊への危惧から、当初はPCR検査が受けられる条件を、風邪の症状があって4日以上37.5度以上高熱の続いた者(つまり既に発症している恐れのある者)と、軽微な症状でも基礎疾患等があり2日続けて37.5度以上の高熱が続いた者に限定して行わざるを得なかった。

 それ故に検査数があまりにも少ないため、分かっている陽性者の数から実際の感染者数を推定するには余りにも振れ幅が大きく困難だった。つまり感染状況の全体像を当初は把握することさえままならなかった訳だ。

 これは皆も知るように、日本の検査体制や医療体制といった感染症対策が整っていないが故に、海外のようにPCR検査を多くすることで、感染者の正確な把握が高い確度で推測できる状況にはなっていなかったを示している。

 そこで海外と感染数を比較する指標として専門家は『死者数』に注目した。

 何故なら感染者の死亡率は国々の社会環境事情により一定の振れ幅(誤差)はあるものの、当時は各国殆ど違いが見られないと考えられていたからだ。つまり単純に考えるならば、感染者が多ければ当然死亡者も多くなる筈だという考えだ。

 日本ではPCR検査数が諸外国には遠く及ばないから、正確な感染者数を推測することが困難だった。そこで現実的にも死者数から実際に感染した人数を推測するしか方法はない状況にあったのだ。

 日本人の殆どは、第1波の感染のピークがとうに過ぎた今となっては、その必要さえないと考えているのかもしれないが、そこで分析を止めてしまったら第2波で、どう対処するべきか分からないだろうと筆者は考えている。

 しかしながら現実には楽観的で喉元過ぎれば熱さ忘れる国民性故に、しかも安倍政権率いる日本政府もそうは考えていないように見受けられる。だが第2波が第1波と同じ情況で同じように我々日本人に襲い掛かって来るという保証はどこにもない。

 むしろ原因を究明しないまま第2波が来て、12月以降の次の冬が訪れた時が一番危険な状況にあるだろうことは、医療従事者なら殆どが考え危惧しているところではなかろうか。

 どの国も見ても最悪の事態を想定して対策を練っている。そして情況の推移を見て規制を緩めていくという手法を採っていた。それが良かったのかどうかは分からない。しかし少なくとも日本の恣意的で後手後手の対応が良かったとはとても断言できる情況になかったのは確かだ。

 医療関係者も4月半ばの感染のピーク時には医療崩壊がいつ起きてもおかしくない情況にあったことを率直に認めている。「4月半ばの時点であれ以上陽性患者が増えなかったのは幸運以外の何ものでもなかった」と述懐している医師もいるくらいだ。

 ある病院では陽性患者を200人収容出来る体制を整えていたが、満床まであと20数床となった情況で、当時の感染予測では翌週には最悪500人くらいになるという試算まであったという。その医師は、もしそうなっていたら間違いなく医療崩壊は起こっていたと断言していた。だがこのような奇跡や幸運はもう二度と訪れることはないだろう。

 たぶん、二匹目のドジョウはいない。

 その死者数だが、日本の新型コロナウイルスによる死者はクルーズ船の患者も含めて、NHK調べで2020年6月24日午前0時時点で978人、総感染者数は18,746人と発表されている。現在に於いてもまだ1,000人に届いていない死者数だ。

 そこから言えることは、日本に於いては2月3月と4月の初旬までは、諸外国と比べてもかなり感染リスクは高かった(発生源の中国に近いうえに、発生が始まっていた欧米からの観光客等の入出国制限もしなかった)にも拘わらず、感染者が予想された以上に少なかったという、推論でも何でもない現実、というより事実に突き当たる訳だ。

 これは取りも直さず『日本は諸外国に比べて圧倒的に接触機会が少なかった』ことの何よりの証左となる。つまり筆者の『接触機会が少なかった説』は推論などではなく『事実以外の何ものでもない』ということになる。(これについては後編で具体例を挙げて再度説明する)

 その事実から言えることは、死者数が少なかった理由が判明すれば、そして偶然や奇跡などではない論証可能な根本的原因が突き止められたならば、次の感染の波と毎年冬にかけて流行するインフルエンザと新型コロナウイルスの流行に備えて十分な対策が講じられるということだ。

 殊に今初冬以降はインフルエンザと新型コロナウイルスのダブルパンチを初めて経験する訳だが、それがいま、医療現場では大いに問題視されている。

 大きな病院では発熱外来と通常の診療と分けて診察可能だが、小規模病院や個人病院では、風邪やインフルエンザの診察しか(環境的にも医療設備的に見ても)出来ないのに、新型コロナウイルス患者が紛れ込んでクラスター感染を誘発しかねない恐れが出てきたからだ。

 現実問題として新型コロナウイルスは初期症状的にはインフルエンザと区別がつきにくい。その情況で風邪やインフルエンザと思って個人病院で診察したら、実は新型コロナウイルスに罹っていた、ということも頻発するだろうと予想される訳だ。

 風邪と思って来院した患者を診察したところ、実は新型コロナウイルスに罹っていて、診察した医師や看護師といった医療従事者がまず感染して、それが次々と院内感染を含むクラスター感染の発端になる可能性は極めて高く、そうなれば今年の2月〜5月の感染状況を軽く上回る感染の大流行、言葉を変えていえば感染爆発(パンデミックあるいはオーバーシュート)が起きると強く危惧されているのだ。

 間違いなく今のままの医療体制や、法整備や行政の在り方では医療崩壊の恐れが極めて高い。余談だが、それなのに通常国会を延長してでも、冬に備えて今から対策を練るべきであったのに閉会した安倍政権の責任や、それを阻止できなかった野党の責任は、いざ今初冬に新型コロナウイルスとインフルエンザの大流行となった場合には極めて重いと言わざるを得ない。

 まさに人命軽視の判断だったということになる。理由は先にも述べたように、医療崩壊の危機はこの春先より、晩秋以降の方が可能性が高いと言われているからだ。そうだとしたら(政府が方針を出さないあるいは出せないほど無能なのだとしたら)、その原因の究明と対策を民間の知恵を絞って出すしかないだろうと思われる。

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 以上で前編は終わりです。

 後編は明後日2020年6月27日午前00時00分記事アップを予定しています。

 Written by H☆imagine U3

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<2020/06/25 19:09 追記>

 ディスプレイの不具合で今月初めにディスプレイとロジックボードを交換したMacBookProです。それからまっさらな状態で戻って来て、バックアップからデータの復元を行って元通りに使えると思った矢先、新規バックアップに幾度も失敗するという怪現象に見舞われました。

 それからこれまで散々AppleSupportに相談しサポートを受けた結果、新規のロジックボードが原因でバックアップが失敗している疑いが濃くなりました。

 理由は、バックアップは旧マシンのデータをAirMacTimeCupsuleから呼び込んで復旧したのですが、ロジックボード(Macの心臓部)を交換したことにより、前のマシンとは異なる新しいマシンとしてMacOSが判断してしまって、バックアップにエラーが出ている可能性があるとのことでした。※WindowsMachineでもSSIDで同一マシンかどうかを判断するソフトウエアやアプリではよくある話です。

 これから一旦バックアップファイルを一度削除し、新規バックアップを取った上で、MacOSを新規インストール(上書きインストールではなく新規インストール)して、そこからシステム情報を呼び込まない『移行アシスタントツール』でバックアップアップからの復元を試みることにしました。

 そうして元の状態に戻してから新規バックアップを行い、差分インストールがその後行われいるかどうかを確認し、それで問題が発生しなければすべて解決です。

 たぶん復旧まで2日以上は掛かると思います。その間Macは使えませんのでWindowsmachineでの作業となります。情況によってはもしかしたら記事の更新が予定通り行かないかもしれません。その場合お許し下さい。(・_・、)

<2020/06/26 8:36 追記>
 未だトラブルに見舞われ中。取っ掛かりのバックアップに失敗し最初から遣り直しです。たぶん予定通りの6月27日午前00時00分に記事の更新は無理でしょう。


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Baldhead1010

今までと同じやり方で経済を回すと、コロナの思うつぼです。
by Baldhead1010 (2020-06-25 04:22) 

tarou

U3さん お早うございます
瑠璃光寺にコメントを有難うございました。
お釈迦様の仏足から身長を推定すると、
9mとは大きいのか、小さいのか・・・
少し大きめでいい感じです。

COVID-19も、秋までには町医者でも、
診察が出来る様にして欲しいものです。

by tarou (2020-06-25 07:23) 

U3

Baldhead1010さん おはようございます。
掘ってすぐのタケノコはアク抜きがやはり要らないのですね。
今年は本当に沢山タケノコを食べました!
by U3 (2020-06-25 08:41) 

U3

tarouさん おはようございます。
阿弥陀寺は趣がありましたね。石風呂入ってみたいです。
by U3 (2020-06-25 08:42) 

やおかずみ

ドレスデンのこの壁画は見たことがあります。ドレスデンは先の
大戦で壊滅的な被害を受けたのに、ここまで復旧したことに感銘を受けました。
by やおかずみ (2020-06-25 11:39) 

U3

やおかずみさん こんにちは。
この『君主の行列』は奇跡的に空襲を免れたとのことです。
by U3 (2020-06-25 14:38) 

八犬伝

2次感染の田細工が何も出来ていない
これは、本当に恐ろしい事です。

仰る通り
普通は、最悪の事態を想定して動くのに
この愚かな政権は、場当たり的
しかも、他人(有識者会議)のせいにするのだもの。
早いとこ、退場してもらわないと
冬が恐ろしいです。
by 八犬伝 (2020-06-26 20:53) 

tarou

U3さん お早うございます
阿弥陀寺にコメントを有難うございました。
石風呂は、焚口を見てきただけで、中は見ていませんが
この時代は、蒸し風呂だったと思います。
東大寺の復興のために、木材を切り出すのは重労働で
体を癒すのには最高の施設だったことが分かります。
今でも、現代人の心と体を癒していると思います。

今日は、朝からセキュリティソフトのトラブル
「PC固まる」で大変でした。
(勝手にライブアップデートの後に固まってました)
PCを守るソフトでトラブル困ったもので、電源ボタンを
長押しして、PCを止めて、再起動、ウイルる監視ソフトが
起動していない。
ソフト名を指定して軌道を試みると、エラー表示が・・・
後は、画面操作に従い、アンインストール・再インストールで
解決したようです。
by tarou (2020-06-27 08:59) 

U3

八犬伝さん おはようございます。
 小樽シリーズいいですね。昔行った時のことを思い出しました。

 専門家会議が日本記者クラブで会見を開いている最中に、西村担当大臣が専門家会議の廃止を宣言して、それを専門家会議のメンバーが誰一人知らなかったということからして、この政府の遣り方が見えてしまっています。
 森友問題以来『要らなくなったらポイ捨て政権』なのですね。
 立場に苦慮しながら、批判にも耐えながらこれまでやって来たメンバーひとりひとりに慰労の言葉ひとつなかった。
by U3 (2020-06-27 09:51) 

なかちゃん

晩秋以降が怖いのですね。
何もしない政治家もバカならば、それに対して声を上げない国民もおバカだと思います。
そして、今のことを忘れてしまったように愚か者に票をくれてやっている選挙民が一番バカタレかな?
バカが率いる国に生きるうちに、おバカが感染したのかも。
政治家のおバカはコロナよりも怖いですね(^^;

by なかちゃん (2020-06-27 11:17) 

U3

tarouさん こんにちは。
そうですか、蒸し風呂なのですね。以前信州の鬼無里の入浴施設出入った外風呂は一枚岩をくりぬいて浴槽にした岩風呂でした。たった一人だけしか入れませんけれどそれが良かった。(o゚∀゚o)

トラブル未だ続いています。現在macOS新規インストール中です。
by U3 (2020-06-27 15:06) 

U3

なかちゃん こんにちは。
 確かに期以降が恐いですね。
 今回もことで良く分かったのですが、政治家も国民もおバカだったから良かったということもあるようです。
 私は政権は自民党でも良いのですが、今のような2/3以上を自公議員で占めるような与野党の比率では駄目だと思っています。今まで問題になって閣僚から下りた議員は少なくとも当選させるべきではないと思っています。過半数を僅かに越える位の、与党の議員数こそ緊迫した良い政治が行える環境だと思います。
by U3 (2020-06-27 15:14) 

U3

☆みなさまへ☆
今まったくMacが使えない状況です。記事の作成と更新はMac上でやるつもりなので、まだしばらくは更新は不可能です。ごめんなさい。
by U3 (2020-06-27 15:17) 

扶侶夢

真摯な論証を有難うございます。
体調の方も整えてPCのトラブルにめげる事なくこの先もしっかり論じて下さい。期待してます。
by 扶侶夢 (2020-06-28 22:36) 

tarou

U3さん こんばんは
浄土寺にコメントを有難うございました。
法華経寺さんには訪れたことは有りませんが、
立派なお寺さんですね。日帰り出来る距離なので、
お参りして見たいと思います。

OSの新規インストール、うまく行きましたか?
私はWindowsを使っていますが、トラブル対策のため
Cドライブを、毎日(100Gbyt)ログアウトの時に
バックアップを取っています。

by tarou (2020-06-28 22:39) 

U3

扶侶夢さん おはようございます。
 激励のお言葉ありがとうございます。Air Macのバックアップ重症です。今は代わりに外付けのHDにバックアップしています。
 記事の更新は明日か明後日になりますが、三日連続の記事更新となります。第二章、第三章、最終章です。
 今は最終章を作成中ですが、その作成が終わるまでは、各章で内容の相違が発生すると困るので、あくまでも最終章を書き終えてから、予定投稿で記事の更新をする予定です。
 期待して下さい。力作です。
by U3 (2020-06-29 07:03) 

U3

tarouさん おはようございます。
 中山法華経寺は参道の雰囲気がとてもいいですよ。JR総武線の下総中山駅で降りて、北口から法華経寺に向かうのですが京成中山駅の踏切を越えるとすぐに黒門という門があってそこからは長い坂道を登っていきます。その先が山門なのですが、結構大きく迫力があります。
 法華経寺の面白いところは、山門を過ぎると石畳の参道が下り坂になるところです。途中左側に中山鬼子母神がありこれも三大鬼子母神として有名です。そして坂を下りきったところ右正面が五重塔で、左側に本堂となる鎌倉時代創建の祖師堂があります。とても独特な屋根の形状をしています。
 裏にはパゴダがありその中に日蓮の立正安国論(国宝)が納められているそうです。
 是非行って見て下さい。
by U3 (2020-06-29 07:18) 

U3

 MacOSの新規インストールは何のストレスもトラブルもなく成功し、その後純正アプリ以外何も追加しない素の状態でAir Mac Timecapsuleでのバックアップも試して成功し、差分バックアップも2度成功しました。それで外付けハードディスクからアカウント関連ファイルやアプリケーションデータを復元しほぼMacBookProは以前の環境を取り戻しました。
 そうしたらAir Mac Timecapsuleのバックアップがまたゼロから新規インストールになってしまうという現象を繰り返す羽目になりました。
 どうやら解決方法はApplesupportでも未だ見いだせないようです。
 もうこんなこと1ヶ月近く続けていて嫌になりました。
by U3 (2020-06-29 12:28) 

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