わたしの愛国心は普通だと思う。国粋主義者でもなくナショナリストでもないわたしだが、日本領竹島に大韓民国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が入ったのみならず、オリンピックの場で朴鐘佑(パク・ジョンウ)という選手が「竹島は韓国領」だというメッセージカードを掲げて世界にアピールしたのは頂けないと思う。
日本政府はまずは韓国の国威発揚政策を非難すべきだと思う。李明博のやった事は暴挙である事を日本政府と日本国民は公私を問わずあらゆる機会を通じてまずは韓国政府ではなく韓国国民に知らしめるべきであろう。
そもそもなんでこの様な事が起こるのかといえば歴代の韓国政府が国際法上も日本領となっている竹島を独島などと呼び国際司法裁判所に訴えることも無く不法占拠している事が一番の問題なのだ。米国政府は過去に韓国に竹島領有権の主張を後押しする様求められた際に「竹島は日本領だと認識しているが韓国領だと主張するなら国際司法裁判所に提訴してみてはどうか」と答えている。国際司法裁判所は当事国双方から提訴がない場合には動かない原則がある。日本政府は何度も提訴しているが韓国がそれに応じない為に審判が下されないままになっている。つまり、韓国は国際司法裁判所に提訴すれば敗訴する事が分かっているから提訴しないのだ。
自国の領土だと主張するなら何故国際司法裁判所に提訴しないのか。自国の領土だと主張するなら何故オリンピック憲章に違反してまであの様な場でアピールする必要があったのか。韓国のサッカー選手がオリンピックから帰国した時の記者会見で全員が銅メダルを首から下げていなかったのは何故か。 その席上で竹島に関しての一切の質問を受けつかなかったのは何故か。当事者のパク・ジョンウ選手が記者会見に現れなかったのは何故か。何故自己弁明しないのか。もしそれが正当な主張であるならば堂々と主張すれば良いではないか。何故不当な手段や武力を用いて自国の領土だと国際社会にアピールしたり不法占拠を続けているのかは明確だと思う。
云うまでもない。それが誤った行為である事を彼らは知っているからだ。
<韓国上空 2012.08.03.14:50>
事ある毎に「領土問題」や「従軍慰安婦問題」を蒸し返す韓国政府や歴代大統領の遣り方は正当な主張とは言い難い。いつも自らの立場が危うくなると日本を悪者にして韓国の国内問題から韓国民の目を逸らしたり国威発揚を煽って来た韓国の政治家をわたしは信用できないのだ。
イ・ミョンバク大統領は竹島上陸を地方視察の一環だとし、またもや従軍慰安婦問題を蒸し返そうとしている。戦後の戦争賠償と戦後補償は額面の三億ドルのみではなく有償も入れれば八億ドルに達する。そしてその賠償金の水準は極めて高いものだったことは知る人ぞ知る事実だ。当時は1ドルが360円という固定相場制の時代だ。大卒の初任給も2万円 という時代である。そして当時の日本の国家予算に対してそれは極めて重い負担であった事は間違いの無い事実だ。当時の朴(パク)大統領はその賠償の見返りとして「従軍慰安婦問題」を不問とすることを約したのだ。国家として約束したことを何故反故にするのか。韓国経済がアジア経済危機で破綻寸前だった時に日本がIMFやあらゆる手段を講じて支援したのは紛れもない事実である。今の韓国経済発展の基礎はこれら戦後賠償と日本のあらゆる産業への技術供与無しにはあり得なかった事実を韓国民はあまりにも知らなさすぎる。韓国政府がその事を韓国民に伝えていない事がよりこれらの問題を長引かせこじらせる原因となっていることは明白だ。
いわゆる「漢江(ハンガン)の奇跡」は日本の支援無しにはあり得なかった事実を韓国民は謙虚に受け止め認めるべきである。自分達の力だけで大きくなれたと思っているならばそれは間違いだと知るべきである。日本政府の弱腰を良い事に強圧的な対日外交を繰り返す韓国政府の遣り方に日本人は辟易している。もしその様な態度を改めず今後もこの様なことを繰り返すならば両国の信頼関係が本当の意味で築かれることは未来永劫ないだろう。
韓国は儒教の国だと聞く。しかし恩を忘れてそれを仇で返すことは儒教の教えに反しないだろうか。少なくとも今、韓国のナショナリズムを煽る人達には儒教でいう「礼」が無いことは確かな様だ。いつまでも相手の非をなじり、その度に相手に見返りを求めるのは卑しい行為であるとわたしは思う。これは儒教のみならずあらゆる宗教や思想でもそうだろうと思う。
「近くて遠い国」・・・韓国 それを実感したここ数日の出来事だった。
<仁川(ニンチョン)空港 012.08.03.15:16>
今の韓国では自分の氏名を漢字で書けない若者が大勢いるという。これは日常生活で漢字を使う事がない韓国事情と国策に起因している事は明らかだ、国策で小さい頃から漢字に接することなく過ごした為にハングルでしか文字や意味を認識できなくなってしまったのだ。だから当然漢字が読めない。多分韓国のエリートでも日本の出来の悪い学生より漢字は読めないだろう。
ところが韓国の世界遺産の殆どはすべて漢字の名前がついている建物であったり構造物であったりする。漢字は確かに中国から入ってきたものだが今その文化が韓国から失われているのはすべて教育の成せる業であろう。これは韓国(朝鮮半島)の歴史を歪曲するものであり正しい教育だと云えるのか大いに疑問が残る。わたしは前にも述べたが言葉はそれがどの様なものであれその国の文化だと考えている。歴史もそうなのだ。漢字の到来によって朝鮮半島の文化が花開いたのは歴史的事実である。韓民族はそれまで文字を持たない民族だったのだ。ハングルが出来たのはずっと後の事で漢字がなければ韓民族の歴史は後世に残せなかったのだ。
韓国の若者が謙虚さを知らないのは日本の若者と同様だがせめて歴史認識ぐらいは感情的にならずに見つめ直す必要があるのではないかと思う。漢字が使われなくなっている事や日本憎しの思想・情操教育によってそれが歪められているのは甚だ残念なことであると思う。日本人の過半は日本の過去の過ちを知っているが韓国の人達は自国はすべて正しいという教育を受けてきたのだ。これが歪曲されていると韓国の教科書を見た日本人なら誰でもが思うだろう。「日本はすべて悪者」であり、都合の悪いことはすべて日本の所為にして、教育の場でも徹底して日本という国のイメージを「悪」として来た韓国政府にそのツケが廻って来ないと誰が云えよう。
その点日本の教育や報道は色々問題はあるにせよ韓国よりはノーマルであると思う。少なくとも社会科の授業や道徳、公民の授業等で偏った思想教育はされなかったと認識しているし国家による報道統制もなかった様に思う。つまり正しい歴史観を持つことの選択肢と自由は日本国民には与えられ委ねられている。様々な情報が提供されてそれらを選択したり自分で見つけ出して真実を知る機会を与えられていることは素晴らしいことだと思う。偏った初等教育を受けた者のそれを矯正する事は甚だ難しい。戦後生まれの日本人はその事に感謝すべきであろう。
<着陸後誘導路で暫く待たされましたがようやく機外に出る事が出来ました。 2012.08.03.15:29>
一方、韓国の人達がすべて日本を悪と見なしているかというとそうではない。今回の韓国世界遺産巡りの現地ツアーガイドは孫さんという方だったが、彼は若い頃に日本の中〇大学に留学していた経験の持ち主である。その彼が今回のツアーに参加した日本人観光客の一人から「朝鮮半島の人々は随分と中国や日本から痛めつけられてお気の毒です」という発言が出た時に「たまたま朝鮮半島そのものがそういう地理的条件にあったという事と、その時々の朝鮮半島の力があったか無かったかということであり何処が悪いとか良いとかは云えない。一言で云ってしまえば韓民族の宿命です」と答えたのは印象的でした。わたしは冷静に語る事の出来る歴史観を持った人が当然ながら韓国にも居るのだなと思った次第です。
日本でも戦前の旧海軍では秀吉が明国・朝鮮征伐と称して行った文禄・慶長の役という「蛮行」で「日本敗戦」に繋がった海戦を指揮していた李舜臣を韓国の英雄として尊敬し銅像まで建てている。前にも述べたが英国でも戦前は日本海海戦で完璧な勝利をもたらした東郷平八郎の銅像を兵学校の校庭に建てていた事と同様である。多分今の韓国では自国の英雄を崇め奉る事はあっても敵国だった国の英雄の銅像を建てる事はあり得ないだろう。韓国政府と一部の知識人や文化人は偏狭と云われても致し方なし。
日本もかつてそうだったがけして「我が世の春」は続かないのは歴史が証明している。サムスンもヒュンダイもデウ財閥もいつまでも続く訳ではない。韓国経済が順調なのは米国の景気や中国経済と無縁ではない。だとしたら米国の覇権が失われ、中国経済が失速した時、韓国経済はどうなるのだろう。歴史を振り返ってみてもいずれそれが現実のものとなる事は明らかだ。その事は日本も同じだがそれは日本や韓国のみならず米国でも英国でもインドでもブラジルでもEUでも同じ事だろう。慢心すれば国が滅びる事もあり得る事を歴史から謙虚に学べる人や国民になりたいものだとつくづく思う次第である。
絶頂期にある時、既に衰退は始まっている。韓国経済の今がそうでないと誰が云えよう。
<ホテル到着後自由行動でタクシーに乗り明洞(ミョンドン)へ行きました。タクシーにはボラレなかったよ>
これで韓国旅行の一日目は終わりです。面白い話がいっぱいあったし皆様にお見せしたい写真もあるのですがイ・ミョンバクさんが水を差したので続編を書く予定は今のところなし。英国と奈良の旅行記を優先したいと思う。