今そこにある危機（下） お為ごかしの政治はやめてくれ！

 

　平成26年5月17日17時19分、安曇野の豊科市街で今年初めてカッコウの啼き声を聞いた。多分今年初めての飛来だろう。

　今年の安曇野は記録的な大雪だった昨年より雪解けが早くGW前の常念岳には早くも常念坊と万能鋤の雪形が現われていた。とはいっても地元の人に聞くと例年通りであまり変わりはないらしい。そうは云っても安曇野市だけでなく4月初めに白馬に行った時に見た五龍岳の武田菱はもうくっきりと見えていたし、大町から見える爺ヶ岳の二人の爺さんも今では消えてなくなっているだろう。それからすると今年の安曇野は二度も記録的な大雪が降った割には総じて暖冬であったようだ。そういえば去年は4月23日に降雪があったなぁ。 

　雪解けといい、夏鳥の飛来といい、自然は押しなべて毎年同じ顔を覗かせ私たちに安らぎを与えてくれる。時に猛威を振るうことはあるけれど、それはもしかしたら人間がもたらした環境破壊が原因かもしれない。人間が廻りと協調、調和する姿勢を崩さなければ自然は押しなべてわたし達にやさしい。

　隣国との関係や外交などもそうなのかもしれない。対立ばかりで対話や交流が無ければ永遠に仲良くなることは出来ないだろう。

　ところで相田みつをの言葉に納得の一言を見つけた。

 

　久し振りにiPhoneアプリ「みつをメーカー」で作ってみました。

　相田みつをって本当にいいよね。

　しかしこれって対人関係でも国家間でも当て嵌まっちゃう気がするなぁ・・・。 

 

 

　話は変わりまして、お隣韓国では航空機事故がまたもや起きるんじゃないかと危惧する今日この頃、皆様に置かれましては如何お過ごしでしょうか？　久し振り更新のU3です。 

　ところでマレーシア航空機行方不明のその後はどうなったんでしょうね？　すっかりお隣韓国の船舶や交通機関の杜撰な管理体制報道の影に隠れちゃいましたけどあれだけ大騒ぎしていたのに今や誰も話題にもしませんけど・・・。それはそうですね。邦人は乗っていなかったのでいまや誰も気にも留めないというのが日本人の国民性です。喉もと過ぎれば何とやら．．．という困った国民性。でも韓国はお隣ですから観光に行くことも商用で行く事もあるから少しは気になるのでしょうね。そうはいっても韓国はむかしから危ない国ですから今更驚くには当たらないのかもしれません。フェリー転覆沈没事故や地下鉄衝突以前にもデパート崩落事故や大韓航空機撃墜事故、地下鉄放火事件、暴動といえば光州事件など数限りがなくあり危険な例を挙げればキリがないのが韓国という国のようです。より身近な危険は中国より韓国にあるのかもしれません。

＜彩雲が見えたのですが分かりますかね＞

　では『今そこにある危機（下）』のはじまりです。

　何がいけないのか分からない人は多い。集団的自衛権では特にその感が強い。わたしは集団的自衛権が悪いと云っているのではない。権利の有無も議論する積もりはない。しかし米国の圧力があって集団的自衛権を行使できるようにするという事由で、それを正当化する為に国連憲章でも保障されている権利だから日本もそれを容認することが憲法解釈の変更で可能だとする政府の見解には欺瞞と危うさを強く感じている。そこに主体性のなさと国民には語られる事のない隠された意図を感じ取れるのであった。

　これは憲法9条に明らかに違反する政府見解である。今の安倍政権の遣り方は姑息だ。欧米に出掛けて行って積極的平和主義が受け入れられたとか述べて国民を欺いたり、集団的自衛権は日米同盟上絶対に必要だとか、国連憲章でも謳われていて権利として当然あるとか、限定的行使だとか、有識者会議（一体何の有識者なんだ。どんな選考基準で選ばれたんだ）で憲法解釈を変える事によって集団的自衛権を行使することは可能という結論が出たことを背景にこの論理を押し通そうとしている。

　あのね、一旦決めたら限定的行使などありえないの！　分かる？　現実に米軍首脳の一人は公式の場で集団的自衛権行使が決定されれば自衛隊にNATO軍並みの役割を期待できると述べている。つまり湾岸戦争のような事が起これば日本も後方支援などではなく最前線で戦闘に加わることを求めら恐れがあるのだ。それは米軍の立場からすれば当然の帰結であり要望である。国際常識から云っても日本人の感覚から云っても、「うちらに関係ある時はしゃしゃりでるけど関係ない時は知らん振り」なんて許される訳がない。　「あったり前じゃ~ん」、てな感じで一笑に付されてしまうだろう。　どうして安倍政権はそんな事が分からないのだろうと思う人がいるかもしれないが安倍晋三さんも当然自民党の中の容認派も分かって言っていると解釈するのが妥当でしょう。

　あのね、日本の政治ってむかしから

　「お為ごかしの政治」　なんですよ。

　国家の為、国民の為、納税者の為、将来を担う若者の為、小さい子供を持つ共働き夫婦の為、etc・・・。すべてそういうロジックで物事を決定して来た訳です。そういえば国民も「仕方ないかなぁ」と思ってしまうと読んでいるんです。でもその影で政策や施政を間違えた結果を国民に押し付けたり、責任の所在がハッキリしないままうやむやにされて来た現実を見ると、国民は政治家や官僚にうまく騙されているなぁとつくづく感じてしまうのですよ。考えて下さい。国鉄民営化や、大手銀行など金融機関破綻を防止する目的での公的資金投入や、かんぽの宿運営破綻、それに付随した郵政民営化、道路公団解体民営化、年金・健康保険料の大幅増額、消費税の導入などみ～んな政治家や官僚の失政失策のツケを国民に払わせて来た歴史そのものじゃないですか？　それでいて為政者や官僚は誰一人として責任を問われない。そんな馬鹿な話があるのかよと云っても現実に日本ではそれがまかり通っているんですね。

　U3としては、「あ～あ、日本国民もいつまでもおとなしくしていてそれで良いのかなぁ～」と思う今日この頃であります。

　話を本題に戻します。お為ごかしで国民を洗脳して憲法解釈を変えるなどという姑息な手段を取らないで、自衛権を云々するなら正々堂々と国民投票で憲法第9条改正の是非を問うべきだと思うのですよ。公明党の言うように拙速にことを進める必要など何処にも存在しない。本来支持政党ではないし背後の宗教団体も好きではないけれど今回は公明党の言う通りだと思う次第です。

　そうは言っても安倍政権は憲法解釈が駄目なら駄目で別の方法で集団的自衛権を認めさせるその下準備も十分してあるのですね。でもそれは時間が掛かり過ぎると安倍総理は思っているようです。下準備というのは国民投票法の事ですがこれは衆議院を賛成多数で通過し、今期中に参院でも可決成立する見込みのようです。もうしたのかもしれませんが報道では取り立てて何も流されてはいないようです。これが成立すれば実施（施行）は4年後という事なので憲法9条の改正も大いにありえるという訳です。それはさて置いて国民投票法は僅か17時間の国会審議で衆院通過というお粗末な内容でありまして、共産党と社民党以外与野党こぞって賛成だというのですから国会議員の質も知れたものという事でしょう。それを以てしても国会議員は「選良」などではけしてなく「選悪」だとわたしは思うのです。

　話を元に戻しますが、時間が掛かり過ぎるから与党内でコンセンサスを取って国会審議は短時間で済ませてしまおうという魂胆ミエミエですね。でもねぇ、憲法解釈でしかも閣議決定でもし集団的自衛権の行使を容認すればこれは明らかに憲法違反ですね。三権分立の立場から司法当局が告発することも十分考えられるんですね。これは最悪のシナリオですが、安倍首相は公明党が反対なら、たった四名の閣僚だけで意思決定してしまえる国家安全保障会議（NSC）で集団的自衛権の行使容認を決定してしまう心積もりかも知れません。

　ここで初めて国民はNSCはとんでもない法律だったと気づくのですね。わたしは思うのですが、多大な影響のある安全保障にも関わる法案が知らず知らずのうちに成立してしまう恐ろしさを過半の国民は果たして理解しているのでしょうか。他人事で済まされない時代がもうそこまで来ているように思えてなりません。 

　上でも述べたように集団的自衛権の行使容認を閣議決定などという姑息な手段によって決めてしまっては将来に禍根を残すというものですが、安倍首相は公明党の了解が得られなくても最終的に強行するのではないかとわたしは危惧しています。何しろNSCがありますからね。

　先日、国民に説明責任があるという触れ込みで集団的自衛権行使の具体例を安倍総理は発表しましたが尖閣諸島を想定した具体例などの説明を聞くと「それって集団的自衛権じゃないでしょう。まさに個別的自衛権行使の具体例じゃん！」などとわたしは考えてしまうのですね。じいさんばあさんを引き合いに出して説明したりとぎこちない説明でしたね。記者の質問にも論点をわざとだかどうだかは知らないけれど外した回答をしてまともに答えてなかったし具体例がちっとも集団的自衛権の例に当て嵌まらない。こんな例を挙げて説明して果たして国民を欺くことになりはしないのだろうか。

　わたしに云わせれば行使の具体例よりも、

　「行使できない具体例」

　をむしろ挙げて欲しいと思うのだが如何でしょう。その方がお為ごかしではない国民の為だし、本質を炙り出すことに繋がるような気が致しますねぇ。

　この会見では無いと安倍総理は断言しましたが米国に要請されたら遠く離れた自国に何ら関係のない紛争にまで集団的自衛権を盾に自衛隊を派兵（そんなことが発生する頃には自衛隊ではなく多分国防軍に名前を変えている筈です。したがって派遣ではありません）しなければならなくなるのではないんでしょうかね。先の米軍高官のNATO並みを期待するという発言もあることだし、言うそばから嘘だって分かる説明をしてどれだけの国民を欺く積もりなのでしょう？

　わたしに云わせれば「政治家は嘘吐きの始まり」なのである。とても信用できないなぁ。

　何度も云いますが米国から要請されれば限定的などと云って通用する筈はないのは明らかですよね。日本が攻撃されてもいないのに米国が第三国から攻撃されたら日本も攻撃するって日本人の感覚では受け入れられるのかなぁ。その場合集団的自衛権の行使は限定的で終わるという保障は何処にもないんじゃないの？　第三国からすればこれは明らかな日本との交戦なのだから矛先は当然日本に直接向かう訳で全面戦争になる危険性は大だと見るのがごく常識的な判断です。幾ら能書きをこねても詭弁を弄しても、第三国に「うちの集団的自衛権は限定的なのでこの辺で手を打ってお開きにしましょうね」といって第三国が納得する筈はないのですね。よくよく考えてみて下さい。近代日本の歴史を顧みれば皆この様な泥沼参戦の経過を幾度も辿っているのですよ。

　こんなことを書くのは明治維新以来の歴史を顧みればかつて限定的と偽って戦争拡大して来た例が過去この国では枚挙に暇がないほどあったからなのですね。

　日中戦争（当時は支那事変）も天皇の許可も内閣の承認も得ずに（というより事前裁可を求めたら絶対に許可はしなかっただろう）、盧溝橋事件や柳条湖事件などといった謀略を用いた関東軍や支那方面隊といった帝国陸軍の出先機関の暴走によって戦端が開かれ、昭和天皇の危惧をよそに戦火がどんどん拡大長期化して、それが理由でとうとう太平洋戦争に突入してしまった経緯があるのですね。日中戦争は初め限定的に終わらせるといって日本が起こした戦争なのですよ。そんな過去を持つ日本人です。それでもあなたは日本人は同じ過ちはしないと断言できるのだろうか。二十一世紀になっても人の遣る事は同じだという気がします。歴史は繰り返すのです。良識派は声の大きい者には負けてしまうという過去の事例は現代に於ける極東情勢の緊迫化においてもやはり同じだろうとわたしは思っています。

　国民の右傾化は良識ある国民を駆逐するだろうと思います。それに乗じて安倍政権は確実に戦争をしやすくなる口実を作り上げている様に思えてならないのです。

　「戦後レジュームからの脱却」や「美しい日本」といった彼の言葉を信用してはならない。

　あ～あ、一体日本はどうなっちゃうんだろう！