<スペイン・マドリッド、スペイン国会上院付近にて>
「ファティマの手」はスペインに限らずヨーロッパでドアノッカーやドアノブになって言わば家の魔除けとして使われているようだが、ファティマの手の発祥元であるムスリム(イスラム)社会では「ハムサ」とよばれている。預言者ムハンマド(マホメット)の娘の一人がファティマであり、イスラム・シーア派では単なる魔除け以上の意味を持っているようだ。前々回ファティマ手の甲には眼があると述べたが、あれが「ハムサ」だ。


 これまで日本で感染者や死者が何故こうも少なかったのかという疑問に、感染症の研究者や臨床医といった自然科学分野の専門家から明確な答えは提示されていない。ゆえに世論は揺らぐ。

 人々がマスメディアやネットを飛び交う根拠のない情報(安心材料)に飛びつき、

「な〜んだ新型コロナウイルスなどインフルエンザと同等程度だったんだ」

 と、思い込みたい気持ちも分からないではない。だが、

 現実には新型コロナウイルスは未だ不確定要素が多くアンコントローラブルだ。

 安心するにはまだ早い。むしろ今警戒心を解くことは危険ですらある。