<航空科学博物館にて '10.06.12.11:01 写真と記事の中身はまったく関係がありません>
NHKは名古屋場所の中継を止めるべきだ!
7月5日のNHK特番で大相撲の野球賭博問題が取り上げられた。その中で武蔵川理事長の認識の甘さと見識の無さに腹が立った。
<航空科学博物館にて '10.06.12.11:01 写真と記事の中身はまったく関係がありません>
NHKは名古屋場所の中継を止めるべきだ!
7月5日のNHK特番で大相撲の野球賭博問題が取り上げられた。その中で武蔵川理事長の認識の甘さと見識の無さに腹が立った。
わたしは元々大相撲にはあまり興味がある方ではないが相撲界とまったく無縁ではない。過去には横綱〇代の富士関や〇勝海関と面識だけでなく何度か会って言葉を交わしたし一緒に六本木に飲みに行った事さえある。そして相撲界の「ごっつぁん体質」もよく知っている。
東京にいて少し高級なお店や人気飲食店で食事をしていてどこかのタニマチや後援会の人らしき人物と一緒に食事をしている関取若しくは力士を見掛けた事はないだろうか。わたしは何度もある。彼らは総じて食事代を払う事はない。すべて「ごっつぁんです」で済ませてしまうのである。これは相撲界の慣習であると同時に体質である。何故そうなってしまうかと云えば幕下まではとても食べていける給与や手当を貰えていない現実があるからだ。幕下でさえ年間給与90万円、手当15万円合わせて105万円の収入ではとても食べてはいけないだろうし妻帯だって出来ないだろう。昔はもっとひどく幕下以下は本当に無給だった。だから十両、幕内力士になってもそれが続くのである。相撲取りである限りこの「ごっつぁん体質」は抜けない。
わたしが今回本当に腹が立ったのは武蔵川理事長の認識の無さである。取材に応じた暴力団の仲介役だった阿武松部屋の元力士は、名古屋場所で飲食店で食事をしていたところ食事を奢ってくれた人物が居て、それが何年も続いて俺にもタニマチが付いたと喜んでいたらそれが実際のところは暴力団員だったのだが、それを知らずに心を許す様になってからつい誘われて野球賭博を始めたのが仲介役になったきっかけだったと答えている。この映像を流した直後であるにも関わらずNHKの司会者がこの「ごっつぁん体質」に言及すると少し声のトーンを上げてというよりも声を荒げて
「わたしの部屋では人様からごちそうになったら必ず報告する様徹底している。たとえラーメン一杯でも・・・(中略)・・・他の部屋でもこれを徹底して・・・云々」
正直云って「お前馬鹿か」と思いましたよ。
「そんなに厳格にしているのならどうしてお前さんの部屋から野球賭博で謹慎しなければならない力士が出たんだ。お前さん本当に事の重大さが分かっているのか。」
思わずTVに向かってそう毒づいてしまいました。どうして「ごっつぁん体質」が相撲界に於ける諸悪の根源だと分からないのだろう。分からないのは理事長自身も「ごっつぁん体質」にどっぷりと浸かっているからに他ならならないのではないかとわたしは思う。角界では部屋の設立や年寄株を持つのにも何千万円も、場合によっては数億円も金が掛かる。その殆どを後援会や支援企業からの寄付などで賄っている現実に人々はもっと目を向けるべきだろう。
何も金銭感覚が一般国民と乖離しているという害毒に犯されているのは今回解雇された琴光喜関や大嶽親方や降格された親方、謹慎処分を受けた力士だけではないのだ。この番組でNHKのインタビューを受けた人気力士の高見盛関は
「今回の件で力士全体が白い目で見られている様に思う」
と語っていたがそれは現実である。「相撲界全体がそうなのだ」と殆どの国民がそう思っている事は明白だ。とにかくNHKは名古屋場所の中継は中止すべきである。現実に正直に賭博の申告しなかった現役力士が実名を伏せて音声を変えてNHKの取材に「賭博をした事実」を答えているのだ。そしてどうして本当の事を申告しなかったのかという問いには、実際の申告書を見せながらそこに記載された「100万円以上の賭博をした事があるか」と書かれていたからこの条件に当て嵌まらないので申告しなかったと答えているのだ。そしてこうも答えている。
「正直に申告した力士が全て何らかの処分を受けている以上自分と同じ様に申告しなかった力士が居ても少しもおかしい事ではないのではないか」と答えているのだ。
野球賭博調査委員会は警察の捜査結果が発表される前に「暴力団と直接の関係があった事実は認められなかった。処罰を厳格にするのを条件に名古屋場所は開催しても良い」と発表する事自体世間の認識とは乖離した結論であったといえよう。これでは「はじめから開催有りき」だったのではないかと云われても仕方がない。
横綱白鳳関は本当に花札賭博だけなのだろうか。某週刊誌ではある親方が自分の経営するちゃんこ料理店がある同じビルの4階でバカラ賭博場を開帳していると実名を挙げて書いている。これがもし虚偽の報道ならば相撲協会とこの親方は名誉毀損でこの週刊誌を告訴できる筈だが何故か沈黙を保ったままだ。
相撲協会はこんな中途半端な処罰で名古屋場所を開くというのだろうか。もし大金を賭けてバクチをしている力士が天皇賜杯を手にしたとしたら取り返しの付かない事になるのは明白だ。本当は名古屋場所は中止すべきなのだ。
「真面目にやって来た力士の為にも名古屋場所は開催すべきだ」などとお為ごかしを云っちゃぁいけないよ武蔵川理事長さん。すべて自分や相撲協会を守る為としかわたしの目には見えないんだよなぁ。こんな体質が続く様なら相撲協会など一度解体した方が良いのではないかとわたしは思う。
角界の病巣は深い。
<'10.07.07.12:25追記>
NHKは中継を中止しましたね。と同時に警視庁が本格的捜査に乗り出しました。これは野球賭博だけに絞った捜査ではないとわたしは思っています。相撲界は長い間「八百長相撲」や「無気力相撲」が取り沙汰されていました。これらに暴力団などの反社会勢力が関わっていないのかについても捜査の手が伸びる事も十分考えられます。
わたしが思っているのは相撲協会と大相撲の力士達はここらで膿を出し切ってしまった方が良いのではないかという事です。そして新生大相撲が誕生すれば多くの視聴者に受け入れられるでしょう。大相撲が以前の様な国民的人気を博すにはもうそれしか道は無い様に思われます。
サッカーワールドカップの日本代表に国民の目が注がれたのは何故なのか相撲協会とその関係者はよくよく考えた方が良いでしょう。