ご存じの方は多いと思われますが日本で報道されている事と英国で報道されている事はまったく違います。同じ出来事でもその内容が異なるのです。例えばイスラエルとパレスチナの戦闘は日本では米国の目(USメディアや政府報道官)を通してしか報道されません。しかし英国ではBBCとアルジャジーラ(もちろん英国(UK)向けの英語放送)が平等に扱われ一切カットされる事なく報道されているのでその公平性と真実性は監視機構や制裁措置のない日本の報道に比べて極めて高いと感じました。それと同時に日本の報道がいかに歪曲され真実からかけ離れているのか知る事が出来ました。便利な世の中になったといえども日本に留まっていては世界の真実は何一つ見えて来ないのです。この事一つを取ってしても今の日本の若者が海外に出たがらないという現実には危機感を覚える次第です。
日本の若者よ、世界に出(い)でよ!
こんな引退間近いしがないオヤジでも日本を飛び出せば色々な事が見えて来ます。日本の中で日本の事を考えるよりも世界から日本を見る方が遙かに良い事に気づくのです。さあ日本のガイドブックに出ていない世界を見に行きましょう。それが自分を成長させることにあなたは気づく筈です。
<レンタカーじゃありませんよ。エジンバラで早朝の散歩をしていたら偶然見つけたOLD Land Roverです。1948年から製造された一番古いランドローバー1シリーズと考えられます。いつもジープに乗っておられる駅員3がご覧になったらさぞかし喜ばれた事でしょう。友人のDavidにも画像を見せましたが驚いていました。(個人情報保護の為ナンバープレートはレタッチで消しました。ご了承願います)>
今回の旅は7月29日にエジンバラに向けて日本を飛び立ちました。旅行の目的はわたしの第二の故郷であるウェールズへの里帰りですが、うちの奥様から常々スコットランドもいいよと云われていたものですから、まずはそこからうちの奥様も行ったことのない場所へ行って見ようと思いひとりで計画しました。別系統ではありますがウェールズと同じケルト系民族が祖先のスコットランドには是非行かなければならないと思っていたので今回の旅行の実現には満足しています。わたしは忙(せわ)しないのは苦手でツアー旅行は詰まらないしゆっくりできないので今回の旅は初めから個人旅行でプランしました。計画自体は昨年のマレーシア旅行が終わってから始めて今年の2月にすべての予定と予約を済ませました。
エジンバラでレンタカーを借りスコットランドに一週間滞在し、その後湖水地方北部に車で移動してトレッキングをして遊び、マンチェスターで車を返して列車でウェールズに行き、友達の家に一週間滞在するという計画です。全部で18日間の旅でした。色々なハプニングや事故もありました。予定になかったアイルランドへの旅(とはいっても首都ダブリンだけ)も瓢箪から駒といった感じで何故か行ってしまいました。本当に面白かったです。のちのち今回の旅行についても機会を別にしてお話ししたいと思っています。
さて、今回の旅行の主目的は第二の故郷であるウェールズへの里帰りですが、その中には付き合いが三十年近くになる妻を介しての友人であるウェールズ人のデイビッド(David)とイングランド人のクリス(Christine)夫妻との旧交を温めることも入っていました。三年前の旅行でもお世話になったご夫妻です。
このご夫妻は世界各国で英語の教師をしていたので香港やタイで教師をしていた頃に二度日本に来られて妻とわたしが日本各地を案内しました。まあ当時はわたしは会社員だったので休日を利用して日光各地を車で廻ったり鬼怒川温泉に泊まったりぐらいしかお世話しませんでしたがご夫妻にとってはとても印象に残ったとのことです。ちなみにデイビッドとは温泉で裸のお付き合いをさせて頂きました。日本の温泉旅館に泊まり、浴衣を着て、裸で大浴場の露天風呂に入り、ふかふかの蒲団で寝るという経験は初めてだった様で、印象を聞くとご当人は
”Fantastic !” と云って居られたと記憶しています(笑)
旅行の話は後日に譲るとして今回はそのデイビッドとの会話の一部を紹介して話を終えたいと思います。リビングで二人でBBCニュースを見ていたらガザ地区の紛争が映し出されていました。妻とクリスはダイニングで話をしていましたのでリビングには二人きりでした。
TVの報道を見てわたしを振り返りデイビッドからこう聞かれました。
「U3はガザでの出来事をどう思うか?」
・・・実を云うと、というよりも以前からご存じの様にわたしは英語の理解(ヒヤリング)は何とか出来ますが英語を殆ど話せません。しかし現代ではそんなわたしにも強い味方があります。iPhoneの翻訳アプリです。日本語で話し掛けたものが英語でスピーチされるものと、日本語で入力されたものが英訳される二種類のタイプを入れていますが今回は後者の英訳される方でデイビッドとの会話にトライしていました。上でも記したようにデイビッドは英語の先生ですから下手な英語は通用しません。これら翻訳アプリというよりもすべての翻訳アプリに共通する事ですが日本語入力にはコツがあります。それを踏まえて入力しないと正確な翻訳がされませんし、口語体と文語体の使い分けも出来ないので相手に正確に自分の考えを伝えようと思うと結構神経を使います。長い文章の場合は複数回の修正が必要な場合が殆どですが時間を掛ければほぼ完璧な翻訳が可能です。しかしわたしは以前から何度も翻訳アプリを使っているのでそのコツを殆どマスターしています。今回はネイティブスピーカーしかも世界各国で教鞭を執っていた元英語教師に向かって翻訳しようというのですから実に大胆な試みでした。
しかしそのチャレンジ精神で靖国問題や安倍内閣における集団的自衛権行使の閣議決定までわたしの考えを話した上に英語で議論までしてしまいました。これらはすべてデイビッドからの質問から始まったもので英国ではこれら日本の政情や国際問題がきちんと報道がされているなと感じました。おかげで有意義な議論と相互理解が出来て実に楽しい一時でした。これも拙いわたしの英語力をデイビッドが理解しようと辛抱強く努力してくれなおかつ適切なアドバイスをしてくれたお陰です。実はウェールズを去る前日にウェールズ語のレッスンまでして貰いました。それはわたしの望んでいた事なのでその心遣いはとても嬉しかった。
余談ばかりになってしまったので最初の話に戻りましょう。 わたしはガザ地区の問題についてこう答えました。
「日本や米国では顕著だがこの二国を除いた世界の報道も、UKに於いてさえも完全には真実を伝えていないと感じている。伝えられていないのは本当に悪いのはイスラエルだという真実だ。」わたしの答えにデイビッドは少し驚いた様だがわたしの意見は肯定された。デイビッドは知っていたのだ普段イスラエルの人々がどれだけパレスチナ人を迫害し侮蔑してるかを。
「それを直視し現状を是正しない限りいつまで経ってもパレスチナは問題であり続けるだろう」とわたしは言葉を続けた。
デイビッドは云った。「U3のいう直視とは何か?」
わたしは答えた。「パレスチナはパレスチナ人のものでありその主権を全面的にイスラエルが認める事だ。それ以上でもそれ以下でもない。イスラエル人はパレスチナの地では居候なのだという事実を認識すべきだ」
デイビッドはこの答えに満足したようだ。勿論この会話がすんなり出来た訳ではない。理解して貰えないのはその時点の翻訳精度が低いからで、デイビッドからの意思表示でそれを感じ取ったわたしは日本語入力の表現やセンテンスを入れ替えした上で翻訳精度を高めていった。辛抱強いカンバセーションを通したコミュニケーションと相互理解は本当に素晴らしい。国際間の紛争もこの様にうまくいけば良いのに思った。
ところで靖国神社参拝問題と集団的自衛権の本題はどう話し合ったかも皆さんは知りたいでしょうね。その答えはまたの機会に譲りますがデイビッドは理解してくれた上、わたしの考えを肯定してくれましたし支持までしてくれました。
わたしは「日本に集団的自衛権は必要ない。日本はそんなものを行使しなくても自国や自国民を守る事が出来る。その答えをわたしは持っている」と云いました。
デイビッドは「それはどういうものだい?」と聞いて来た。
わたしは答えた。「それは日本が永世中立国になる事だ」
「実に素晴らしいアイデアだ。U3が日本の大統領になれば良いんじゃないか?」
わたしはそれにこう答えた。
"I am not polician. And do not the President to japan. Just there are Prime Minister by following the United Kingdom"
今回の最後にスコットランドの最高の写真をお目に掛けましょう。日本にはない絶景です。ちなみに滞在した三日間この島で日本人はわたし達夫婦以外一人も見掛けませんでした。
ではまた後日このブログでお会い致しましょう。
明日安曇野に向けて出発します。
※8月20日追記: 旅行や遊びではありません。仕事再開のため安曇野に戻ります(笑)
ごきげんよう。