法人はあっても個人はない。
国家はあっても国民は不在である。
それがこの国の現実の姿なのだと思う。
主権在民とありながら憲法の保障する等しく与えられるはずの
国民の生存権や文化的生活を享受する権利は所謂勝ち組だけのものだ。
定職に就けない者や社会的弱者は権利を剥奪されている・・・というよりいつも蚊帳の外だ。
一旦企業から離れた者や非正規雇用者や母子家庭や身障者や介護を必要とするご老人などは
社会の底辺でただ喘ぐしかなくそこから這い上がって来られる者はほんの数える程しかいない。
国家の側や企業の側にいる者は勝者の論理で底辺に喘ぐ者を見下し蔑み憐れむ。
曰く、学歴がない。努力が足りない。運がなかった。等々。 
しかし自分が如何に恵まれた環境で育って来たか
幸運に恵まれて生きて来られたかに思い至る者は稀で
自分の立場が実は砂上の楼閣の上に建っている事に気づく者は少ない。