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<Lake District3/5・story9> The land of promise [随筆]

イングランド湖水地方ウィンダミア湖畔のフェリー埠頭にて '11.07.30.18:46 

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<いやぁ、長い間英国旅行紀行文をお留守にしてスワンスワン> 

 てな訳でいきなり何ですが、もうお気づきの方もいらっしゃるとは存じますが今回の記事より(以前の記事も含めて)その回の見出しを括弧書き<>でメインタイトルの前に記す事にしました。そしてメインタイトルである『The land of promise』は一番後ろにしてその前にシリーズの通しナンバーを入れる様に表記方法を変えました。ついでながらマイカテゴリーも『旅行・紀行文』から『随筆』に変えさせて貰いました。そうしたのは以下の理由に依ります。

 今までのタイトル表記ではブラウザの画面上ではどの記事もThe land of peomise・・・までしか表示されないため一見して記事の違いがまったく分からない状態にありました。それを解消する為に、冒頭のタイトルから記事の内容がおおよそ分かる様に表記を変えました。

 同時にマイカテゴリーまで変えたのは、記事の内容が当初のカテゴリーであった『ブログ小説』ではないし、自分が見聞したものから連想もしくは導き出されたわたし自身の考えが色濃く反映された文章であるのならば『紀行文』とも違う気がしたからです。

 これはどう見ても紀行文や旅行に名を借りた随意気儘なわたし自身の考え方の披露であり開陳です。ならばそのまま『随筆』というカテゴリーが直截で良いのではないかと思った次第です。エッセーというマイカテゴリーも既にあるのだけれど、わたしは『随筆』と『エッセー』は明確に違うと考えています。同じ随意気儘でも、洒脱な文章で面白おかしく書くものが『エッセー』であり、自分の考えをしっかり述べるのが『随筆』だと分けて考えているのです。独りよがりな単なるこだわりだけれどね。(笑)

 ではメインテーマに入る前にいつもながら少し寄り道をしましょう。

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 ず初めに右足のふくらはぎを怪我した件ですが、もう一ヶ月以上たっているので内出血はとうに恢復しました。怪我の箇所を触ってみると今は固くシコリになっているので血が固まっているか組織が多少ダメージを受けたものと考えられます。これが無くなるにはたぶん一年以上の時を必要とするでしょう。傷痕は消える事は無いでしょうね。気が付いてみるとわたしの全身は十一カ所も傷痕や手術痕だらけです。

 今回の傷では時折シコリのあるあたりが痒くなる以外に日常の生活には今のところまったく支障は無いので安心しております。前々回の記事の画像をあたらめて眺めて見苦しいと感じたので(といって削除はしませんが)今回は写真をブログ上に載せる事を差し控えさせて頂きました。
      


 

 つぎは調子の悪かったパソコンの話。

 パソコンの話だからと敬遠しないで下さいね。この中には間違いなく人生の示唆が含まれていますので最後まで読んでけして損はないと思います。 はっきり申し上げてPCではなく人生の勉強になる事を約束します(あはは!)

 PC画面が突然ブルースクリーンになった原因がM〇I社製のマザーボードP35NEO-Fにあった事は前回までに既に述べた通りです。ちなみに「マザーボード」とはPCの頭脳とも云うべきCPUやメモリーカード、画面を映す為のビデオカードやその他様々なドライブ類(例えばDVDとかブルーレイディスクドライブ)や電源をその上に載せたり差したり繋いだりする基盤の事を云います。だからこれが壊れるとシステムの全てがおかしくなっちゃうんですね。

 どうもブルースクリーンになって再起動を繰り返す症状はこのマザーボードでは高い確率で発生する様で、ネットで調べたところ短時間では読めない程その事について大量の書き込みがありました。という事はそれだけ多くの方が同じトラブルに見舞われた事を意味しています。わたしがネット検索したキーワードは「ブルースクリーン M〇I P35NEO-F」です。

 ところでそこの貴方(貴女)、「ブルースクリーン」を「ブルース・クリーン」もしくは「ブルース・クイーン」(今は亡き淡谷のり子じゃないっ~の・・・あ、お若い方は知らないですよね)間違いじゃないかなどと読み間違えたりしない様に。ええ、そうなんです。ルー・スクリーン」が正しい呼び方なんですよ。

 ブルースクリーンと何故呼ばれているかと云えば、PCが重大なトラブルに見舞われた時にシステムを保護する為に動作を停止して、その時にディスプレイが突然真っ青になって画面の中に白文字の英語(もしくは日本語)でWindowsが動作を停止した理由と、推測されるトラブルの原因、原因を絞り込むのに重要な<エラーコード>などが一画面に表示される事からそう呼ばれています。ノートブックPCであろうがデスクトップパソコンであろうがPCであるかぎりこの様なトラブルが絶対起きないという保証はどこにもありません。

 何の前触れも無しに本当に真っ青な画面が唐突に現れそして文字を読む間もなくあっという間にディスプレイが真っ暗になり勝手に再起動を繰り返すのですから初めて見た人の大半はそれは驚きます。この現象が現れたらシステムがかなり深刻な状況にあると思って間違いありません。すぐさま何らかの手を打たないと回復できない程のダメージをPCに与えてしまうので、パソコンの事が良く分からない人は専門的な知識のある方若しくはメーカーのサポートなどにすぐに相談なされた方が賢明です。名前を覚えて下さい。その現象を表す言葉はルー・スクリーン」です。「ブルース・クリーン」ではありません。悪しからず!

 わたしはATX規格が出来て以後は、好きなパーツを集めて作れる自作機で通して来たのですが(ノートブックPCは除きます)、4年程前のこの時はある事情があってアキバで初めてショップブランドパソコンを購入しました。そのパソコンの中にM〇I社製のマザーボードP35NEO-Fが組み込まれていたのです。ネットを見て知ったのですがこのマザーボードは早いもので1〜2年でご昇天遊ばされる仕様のようです。メーカーは一切認めていませんが、初期型ではCPU廻りの8個のコンデンサーに信頼性の低い台湾製のものを使っていた為に、電解液が漏れてコンデンサーそのものが破損してしまって、それで寿命が極端に短くなったものと考えられます。

 突然ブルースクリーンに見舞われた人の対応は様々でしたが殆どが新しいパソコンを購入するかマザーボードを取り替える二つの選択肢のどちらかを選んでいました。中にはマザーボードはそのままにハンダゴテを使って問題の8個の台湾製コンデンサーを日本製のまったく新しいものに総取り替えしてしまった猛者までいました。

 もちろんわたしにはその分野のDIYで専門的なスキルはないので(手先は器用ですが電気的な実技はまったく苦手なわたしですから)大した手間も掛からず尚かつ少ない投資額で原状回復できる他社製のマザーボードを探し出す後者の選択肢を選んだ訳です。因みに保証期間を過ぎてメーカーに修理を頼むと「初期診断料」だけで福沢諭吉さん1枚を出して野口英世さんが2・3枚が帰ってくる程度のお金が掛かります。それに修理費を含めた部品代などを入れたら合計で諭吉さん大枚2枚という新品マザーボードを買う以上のお金が掛かるのは必至です。ですから貴方が「どうしてもこのマザーボードぢゃなくちゃいや~ん♡」てな拠ん所なく、なおかつマザーボードフェチで、特殊で、特異で、奇特な個人的事情等をお持ちでないのであれば、ボードを別のものに変えてしまう選択肢が一番妥当です。無尽蔵にお金がある方なら別ですが(原因が分かる分からないに関わらず)まずは懐具合をよく考えて対応したいものです。無駄な投資ほど愚かしい行為はありません。

 わたしはいつもながら自分一人で原因を調べて対応(復旧)しました。ショップやマ〇クロソフトのサポートも一応参考にはしましたが信用はしませんでした。今回もマザーボードを変えてOSをインストールして以降のトラブルについて最後にマ〇クロソフトから受けたサポートは「マスターブートレコードの消去とOSの再インストール」という私にとってはとても受け入れられない内容でしたので実行しませんでした。ついでながら「マスターブートレコードの消去とOSの再インストール」をコマンドプロンプト上で実行するというのはPCの知識が乏しい方にはハードルもリスクもかなり高い作業です。この作業はどんな事をしてもハードディスクがOSに認識されない場合の最終手段として行うものでその意味するものは今までして来た事がすべて無駄になる事とデータの喪失、そして気が遠くなる程のインストール作業です。ただし、メーカー製PCで尚かつリカバリーディスクがあり、自分でアプリケーションソフトをインストールしていない人ならば初期状態(出荷時の状態)にはすぐに戻れるのである意味安心です。ただし、大事なデータは二度と戻って来ません。

 わたしがMSをいざとなったら信用しないというのは過去にこんな苦い経験をしたからです。 

 5年程前の事ですが、アンチウィルスソフトのアップデート後にOSがまったく起動できなくなってしまった事があります。その時にアンチウイルスソフトの会社では手に負えず、MSの有償サポートを受けたのです。そしてそのサポートの指示通りパーテーションを削除して500GB・HD2枚がまったく認識されなくなってしまいました。

 「画面で<パーテーションを本当に削除しますか?>って聞いてるけど当然<NO>を選ぶんですよね」とわたしが確認したのに、その担当者は

 「いいえ<YES>を選んで下さい」と言ったんです。

 一瞬自分の耳を疑いましたよ。だからもう一度聞き直しましたが返事は同じ。だから<YES>を意味する「Y」のキーを選択したんですね。・・・そして案の定データが取り出せなくなってしまったんです。

 常識的に云ってもそんな事をすればハードディスクが認識されなくなるのは当然だと思うのですが、その担当者が言ったのはわたしへの謝罪の言葉ではなく、

 「お客様が望む結果が得られなかったので有償サポート契約は破棄して費用は返却させて頂きます。マ〇クロソフトはこれ以上お手伝いできませんのでサポートはこの時点で終了となります」だと・・・

 本当に頭に来ましたねぇ。わたしはこの後データリカバリーソフトとか色々試しましたが復旧できず、結局専門業者に頼んでデータ回復に〇万円という恐くて今になってもとても妻には言えない程の大枚を叩いて陰で大泣きしたよ。

 だからわたしはMSはいざという時には信用できないという気持ちがあって今回は意地になって自力での復旧を試みたんですね。そしてそれに成功しました。大ごとではなく本当にごく簡単な方法でマスターブートレコードを回復させました。当然ながらMSにその経験のフィードバックは無しです。

 この様なつまらない事かも知れないけれど、今回のトラブルでは本当に久し振りに頭をフル回転させました。解決の糸口はやはり原点に返って物事を単純化して考える事とその事によって得た発想の転換でした。迷ったら原点に返る。現状をつぶさに見つめ直して何か見落としはないか再確認する。これはどんな事にもいえる問題解決の一番の方法であり早道です。それと、一度やり始めたら最後まで諦めない。納得いくところまで遣り遂げる。この心構えがとても大切だとあらためて感じました。

 物事を中途半端で終わらせればそれは失敗に終わったも同然です。それがどんな些細な事であってもです。物事を途中で投げ出さず精一杯最後まで遣り遂げたというのは、その結果がどうであってもその人にとっては成功だとわたしは思っています。成功体験は次の成功を生みますが、失敗癖が一度付くと成功はなかなか覚束ないのです。負け犬は立ち直れない。だからけして負け犬になってはいけない。この事は肝に銘じて置いた方が良いでしょう。

 しかし、たとえあなたが人生のどこかで一敗地に塗(まみ)れてもそれが精一杯の努力の結果だとしたらあなたはきっとその事に納得がいくでしょう。そしてたとえ何度破れはしても弛まず努力を続ければ必ず良い結果を生むでしょう。一度や二度の、はたまた三度ぐらいの失敗に懲りてはいけません。あなたに精神的に落ち込む暇はありません。前向きに生きる事は家族やあなた自身の為に必要不可欠な事なのです。

 「人生は生きている限り必ずやり直せる」そう思って精一杯生きたいものです。

 たかがパソコンの事で大言壮語を発してしまいましたね(笑) では話を元に戻します。

 マスターブートレコード(システムを起動する為の大事な情報が格納されている領域の事をいう。以後MBRと呼ぶ)は通常のフォーマットでは消去されません。ハードディスク(以後HD)のOSやアプリケーションやデータを格納する領域(これをパーテーションと呼ぶ)とはまったく別の領域にあって書き換えできない様保護されています。だから逆に一旦壊れてしまうとやっかいになるのですね。でもすべてが壊れる事は殆どありません。大概は何らかの理由によって領域の一部に傷が付いているだけなのです。そこを直してあげればすぐにHDは元気になります。今回MBRに傷が付いた理由は明らかでした。ハードウェアのドライバーが自動的にインストールされ再起動されたブート画面(起動画面)の途中でPC画面が固まってそれ以上進まなくなってしまった時に、HDへのアクセスランプが付きっ放しになっているのを知りながら、しかもそれが最悪HDを傷つけてしまう危険性があると分かっていながら、強制的にPCの電源を落とさざるを得なかった事がMBRを損傷させた原因だったのです。

 今回どうやってそんなダメージを受けたシステムを回復させたのかといえば、<認識されないシステムHD>(<システムHD>とはOSの入っているHDをいう。これに対してOSやアプリケーションソフトがインストールされていないHDを<データHD>と呼ぶ)ではなく物理的にまったく別体の<正常起動できるシステムHD>を使って<認識されない(つまり起動できない)システムHD>のMBRを回復させたという事です。これだけで分かる人には分かるでしょう。

 ここまで大分長い文章を書いてしまって申し訳ございません。後はわたしから皆様へのこの様なトラブルが起きた時のアドバイスです。

 皆さんはおいそれとわたしと同じ様な対応は出来ないでしょうから、この様なトラブルに対応出来るソフト・ハード共に知識を持っている人と普段から懇意にして置く事は無意味ではありません。「多少ヲタク」なのは許してあげましょう(笑) でも原因をろくに調べもせずに新品に変えた方が良いなどと安易に云う様な人物は「完全なPCヲタク」なのでご注意を。わたしから云わせて貰えば、

 「だったら初めからアンタに相談なんかしねぇよ」・・・ですから。

 ところで、良いマザーボードはたとえ高価ではあってもコンデンサーはニチ〇ンなどの日本製トップメーカーのものを使用していますしそれを実際に信頼性の証としてウリにしてもいます。まあ台湾製コンデンサーを使ったマザーボードで4年も保ったのは幸運な方だとのご意見もございましょうが投資に見合った補償も結果も得ているとは云い難いのでわたしと致しましては納得のいくものではありません。新しいPCに買い換えるという手もありますが先立つものがないので、今回はintelの同世代チップセット(ノースブリッジとも云うね)の最終型ICH9Rを使っている他社製中古マザー(4年前のモデルとなると新品などある筈もありませんが)のA〇U〇Tek製のマザーボードP5K-Eを購入して対処しました。中古とは云っても名の通ったPCショップで購入していますから三年保証付きです。尚かつ復旧後にBIOSを最新のものにアップデートしましたので今のところ安定して、しかもトラブル以前よりも処理能力は確実に上がっているのを実感しています。(バンザイ!)

 余談ですが来年4月でVistaのサポートは打ち切られるのでその前にWindows7に切り替えようかなと思っております。それまではこのマシンでいって、その後はWindows7を新規インストールするか、それとも新しいフルスペックマシンに切り替えるかどうか検討したいと思います。

 因みにわたしはOSはアップグレード(つまり上書き)しない主義です。以前の環境を引き摺るのは愚の骨頂ですからね。皆さんも過去のしがらみを断ち切ろうと思ったら真っ新(さら)のハードディスクにOSを新規インストールしましょう。PCが快適に動くことを保証します。アップグレードインストールは起動も遅く動きの鈍いのも改善しません。なにしろ長い間の澱が溜まって肥大化した<レジストリ>はそのままですから。そんなパソコンはストレスの元ですのでおさらば致しましょう。それでも過去の環境を引き継ぎたいというのであれば、ブートマネージャー(Windowsなら2つ以上のOSをインストールすれば起動時にOSの選択画面が自動的に出て来ます)で以前のOSと新しいOSを使い分けた方が良いと思います。

 勿論お金のある人はOSがプリインストールされた真新しいメーカー製PCを購入するに越した事はありません。でもね、いざという時の知識や経験は得られないままです。それでも途方に暮れる時が来る事はないと誰が言い切れるでしょう。今やパソコンやそれを使って得られる様々な恩恵無しには生きられない時代になっています。世捨て人になるなら話しは別ですが(笑)

 心して置きたいのはこの言葉。

 『いつまでもあると思うな親と金 

 これは真実です。 

 『それを大事だと思うならば、必ず自分で判断し、そして実行せよ』

 簡単に云ってしまえば「大事な事は他人に任すな」という事です。後悔と責任転嫁は他人の意見に流された時や他人に判断を任せてしまった時に生まれるものです。そんな負け犬になりくなければ自分で判断し、自分で行動を起こし、自分で結果を得る事です。


 今日の寄り道はこの位にして置こう。いつも通り前置きが長いわたしです(笑)

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<ユニオン・ジャック(英国ではユニオン・フラッグ) wikipedia 「イギリスの国旗」より転載。英国の国旗の成り立ちについては<Wales1/6・story11>The land of promiseで改めてお話ししたい>

 それでは英国旅行三日目の夕方から再開する事としよう。

 実は英国には森が少ない。

 先史時代やケルト民族であるブリトン人(ブリテン島の名の由来となった民族)がこの島に移り住んできた頃はそれこそ溢れんばかりのオークの木などの落葉広葉樹で覆われた森の島だったという。それを切り開き今の様なイギリスの田園地帯に変えたのはその後に移り住んできた多くの民族であった。この様な事は何もブリテン島だけに当て嵌まる事ではなくて中国においても同様である。

 因みに数千年前(数万年ではない)の有史以前の中国では、ライオンも虎もサイも生息していた事が発掘された骨の年代測定によって明らかになっているが、それが何を意味するのかと云えば生息していた当時の中国には豊かな森林があったという事なのです。木々を伐採しその事によって大地を砂漠化させたのは中国人の祖先だったという訳です。もし森林を伐採しなければ黄砂が日本まで届くと云う事など無かったでしょう。

 英国においては十九世紀の終わり頃になってその事に対する反省の気運が高まりました。何故高まったのかと云えば産業革命による自然環境の破壊がその背景にあったのはいうまでもありません。その気運の中で生まれたのがナショナルトラストです。そしてナショナルトラスト発祥の地こそ、ここ湖水地方<LAKE DISTRICT>です。ここには他の地同様全くの自然は殆どありませんが、スレートしか資源がない為に当時の産業の基盤であった石炭を産出したイギリス中部・南部地方より遙かに開発は遅れていました。そしてその事が豊かな自然を今日まで残す事となりました。百年前から自然環境は程よく保たれていますし、緑の森は百年前よりも確実に多くなっています。湖水地方の自然が保たれているのはナショナルトラストのお陰だといって良いでしょう。

 人類は全てを破壊する力を持っていますが再生する力も持っている事をこの事は示唆しています。核物質は全てを破壊しますがそれを使わなければ全ての生き物は命を長らえる事が出来ます。そして今の地球上の生物でそれが出来るのは人類以外にありません。制御できない科学技術を駆使して己自身まで破壊してしまう驕り高ぶった愚かな人類にはなりたくないものです。

 湖水地方の自然の中でそんな事をふと思いました。

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 突然現れたその光景にわたしはすっかり心奪われてしまった。すこし霞の掛かった大気を通して頭上の木々の合間からまるで陽の光が絨毯を敷き詰めた様に差し込み地上を照らしていた。ところによってまるでスポットライトを浴びた様に草木が照り輝いていた。自然の中にまるで草木達の舞台が舞い降りた様であった。

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 「なんて美しいのだろう」その場の光景を説明するのに、月並みなただその一言しか思い浮かばなかった。皆さんにはお分かりになれないかも知れませんが、本当に素晴らしい光景でした。わたしは思わず歩みを止めてそこに佇んでしまいました。遙か先まで行ってしまった妻のわたしを呼ぶ声が耳に届くまで、わたしはそこに呆然と立ち尽くしていました。我に返りふと足元を見れば可憐な名も知らぬ小さな白い花が慎ましやかに、しかし行く夏を惜しむかの様に咲いていました。

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 これがこの日のハイライトでした。きらびやかなものは何もありません。もしかしたら他に人にとってはありきたりの光景なのかも知れません。しかしわたしには自然の神々が降臨した様な本当に素晴らしい光景に出会えた。そんな感動を覚えたひと時でした。

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 途中で頭上を樹々の枝に覆われた湖岸の砂浜に降り立ちました。狭いながらもまるで五人だけのプライベートビーチの様でした。そこでCrisが途中で買って来たネクタリン(プラムのような果物)を手渡され、波打ち際の石に座って目の前の係留されたヨットを眺めながら、わたしはそれを頬ばりました。とても美味しかった。その狭い砂浜で飛び石投げをして戯れたり、途中で見掛けた岩に乗り上げた倒木をシーソーにして遊んだり、天然のベンチの様な形状をした大きな石に腰掛けて休んだりしてまるで子供に返ったかの様な楽しい時間を過ごしました。 

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 やがてこのピクニックにも終わりを告げる時が来ました。フェリー乗り場はもうすぐそこです。フェリーに乗って対岸に渡れば出発点のボウネス・オン・ウィンダミアはもう目と鼻の先です。

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 対岸に着くと歩いてすぐのところにヨットやボートの工場がありました。時間はこれでも夜の7時を廻ったばかりです。湖水地方のこの時期の夜の訪れは21時過ぎです。

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 外はまだ青空です。

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 この後チャイニーズレストランで食事をしてそして宿に帰りました。デイビッドもクリスも香港仕込みでなかなか箸の持ち方は上手でした。ケイトは彼氏が来るので再び一人プレストンに車で帰って行きました。デイビッドとクリスとわたし達はそれぞれの部屋に入ってそれぞれの時を過ごしそして眠りの途に付きました。翌日は再びわたしがハンドルを握ってドライブをする事になるのですが、帰って来て部屋に戻ってからハプニングがあってその事の方が印象に残る一日となりました。印象に残る言葉、それは「サーティーン!」です。それはまたお楽しみという事で今回の記事を終えたいと思います。

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 食事の後に外を見たらもう夜の9時近くだというのにまだこんなに明るかった。

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 旅行自体まだまだ先は長いですが、次回は湖水地方最後の記事となります。桂冠詩人ウィリアム・ワーズワースやピーターラビットのビアトリクス・ポターの話にようやく辿り着きます。

 どうぞお楽しみに。


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コメント 17

nano

私もやっと2台目の修復が終わりました
不具合も、直すことで勉強にはなりますが
原因究明から何からと疲れますね(#+_+)
by nano (2011-11-06 23:03) 

mamii

PCの事ですがマイクロソフトもいい加減ですね。
by mamii (2011-11-07 00:28) 

枝動

それは、頭に来ますね。メーカーや企業には、不親切で約束を反故にしようとするアタマの悪い人いますよね。
難局・トラブルに、シンプルにものを見て原点を見つめ直すのは、解ります。
以前の職業の時は、そういった事が多く、単純に考えて正解を探しました。
人間関係もそんな気がします。
しかし、森林浴は写真でも、十分癒されますね。いい写真です。
by 枝動 (2011-11-07 00:30) 

Silvermac

Epsonが台湾メーカーのOEMで造っているノート、7年過ぎましたが順調に動いています。XP SP3で使っています。
by Silvermac (2011-11-07 05:54) 

U3

☆みなさまへのお詫び☆
文字が左回り込みに設定されていて一部の文字が画面上から消えてしまいましたのでもう一度レイアウトをし直しました。見難くて申し訳ございませんでした。
by U3 (2011-11-07 12:30) 

やおかずみ

ご訪問ありがとうございました。
by やおかずみ (2011-11-07 14:33) 

とりのさとZ

 PCの修理説明を読み疲れて(最初から私にはできないことわかってたし)、英国旅行の方は写真だけを楽しみました。長いもん。

 

by とりのさとZ (2011-11-07 19:00) 

mochamama

自分で決めることは大切ですね。
PCに関してはmochapapa頼りだったので、いない今は一人でどうにかがんばっています。
by mochamama (2011-11-07 19:25) 

K

おじゃまします

湖水地方の緑の優しさは、見ているこちらも癒されます^^。

次回も楽しみにしています。



by K (2011-11-07 21:32) 

Baldhead1010

外国旅行したら体調が狂います^^;
by Baldhead1010 (2011-11-08 05:10) 

たいへー

キッコーマンの醤油は、
もはや世界中に浸透しているのだろうか・・・恐るべし。^^
by たいへー (2011-11-08 07:57) 

keykun

おはようございます。^^
いつも楽しめます・・。
紀行文をお留守~
ハクチョウ?な奴だとは思いませんヨ! ^^)v
by keykun (2011-11-08 09:34) 

Cecilia

去年パソコン修理に5万5千円もかけた私です。
自分で修理などが出来ると良いのですが・・・。

ますます湖水地方への憧れが強くなりました。
ワーズワース、高校生の頃あまりよくわからないけれどかっこつけて読んでいました。「草原の輝き」を。
ビアトリクス・ポター大好きなので、次回の記事を楽しみにしています。

by Cecilia (2011-11-08 11:20) 

青い鳥

ご訪問が大変遅くなりました。
湖水地方の美しい画像に心が現れました。
しかし、今回私が何度も繰り返し読んだのはパソコンの方の記事です。
ブルースクリーン、今私の使っているパソコンは買って間もなくからフリース、
対処方法をメーカーに聞いたら、電源OFFにした後暫くしてから再度電源を入れ直す様にとの事でした。
それからもフリーズはしょっちゅうである時からブルースクリーンが出てきています。
画面が自動で再起動して使えるものですから、そのまま使っていました。
U3様の記事で事のあらましだけは飲み込めました。有難うございます。
何の知識もない私ですので、「いつまでもあると思うな親と金」は百も承知で新しいパソコンを購入するしかないと思います。
現在vistaですので、来年の4月まで動いてくれれば良しとして
買い替えが必要と考えています。
親は既にありませんし、お金もそのうち無くなったらパソコンとはご縁が切れるかも知れませんね。
by 青い鳥 (2011-11-08 19:55) 

青い鳥

再びお邪魔いたします。
お忙しい中、アドバイスを有難うございました。
次に出た時に試してみます。
by 青い鳥 (2011-11-08 21:39) 

青い鳥

再度のご訪問とご指導、有難うございます。
昨晩、お教え頂いた再起動されない設定にいたしました。
これで次にブルースクリーンが出たらエラー番号を知ることが出来ます。
今までは、画面を追っているうちに消えてしまい、
エラー番号をメモしようにも出来ませんでした。
ブルースクリーンが出た後の操作方法もお教え頂き安心して対処できます。
心よりお礼申し上げます。
by 青い鳥 (2011-11-09 23:32) 

ラブ

こういう街で、ゆっくりしてみたいです♪
by ラブ (2011-11-12 11:37) 

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