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8日間連続予約投稿 5日目 [随筆]

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 中学一年生の時に勉学でいくら努力しても勝てないクラスメイトがいた。

 二年生になってっも相変わらず勝てなかったがお互いにライバルだと思っていたそのクラスメイトといつしか仲良くなった。彼は学級委員で見た目も良かったから女子には大変モテた。一方のわたしは背こそ彼よりも高かったが容姿だけには自信が無かった。つまりコンプレックスを持っていたのだ。ある日の放課後掃除当番を終えて一緒に下校した。

 帰り道その彼がこのわたしにコンプレックスを抱いている事を告白され少なからず驚いた。

 何と彼は国語と理科と社会科で中学一年の二学期以来わたしに一度も勝てない事を悔しく思っていたのだ。わたしはクラスで二番目の成績だったが彼は学年でいつも一番の秀才であった。つまり二番とは云っても足下にも及ばないほど彼とわたしの成績の差は一目瞭然だった。それにも関わらず彼は幾ら努力してもこの三科目だけは勝てない事を口惜しく思いそれがコンプレックスになっていたのだという。小学校以来勉学に於いて彼は一番以外になった事がなかったのだ。

 わたしは彼にこう答えました。

 「僕は小学校では担任の先生に嫌われて”1”こそ無かったけれど成績が極端に悪かった。中学生になったら科目別に先生が違うからこれからはチャンスだと思って人一倍頑張った。そして一年の一学期の中間試験で自分はけして人より劣ってはいないという自信を得たんだ。でもねどう逆立ちしても勝てないと思った人物がいた。それが君だよ。だから全部は無理でも自分の好きな科目だけは君に負けない様に人一倍頑張ったんだよ。君が5やれば僕はその三倍頑張ろうってね。だから三科目では君に負けられなかったんだ。僕こそ君に対するコンプレックスで今まで頑張って来たし来られたんだ」

 彼はその言葉を聞くと晴れ晴れとした顔をしてわたしに握手を求めた。ちょうど橋の中程だった。わたしは橋の手前で本来は左に曲がるのだがその日は彼の話につられて橋の中程まで来てしまったのだ。

 「これからもいいライバルでいよう」 、彼はそう云った。わたしも握手を返しながらそれに答えた。

 「この三科目だけは君に負けないよ」 


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