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西班牙(スペイン)旅行記Ⅱ [旅行・紀行文]

バルセロナのお宿.jpg
 
 バルセロナ空港(BCN)から宿泊したオスタル・ジローナに着いた翌日、現地時間8:48朝のジローナ玄関前を通りの反対側から撮影したものです。前の道路が傾斜しているのがお分かりでしょうか。下がっている写真右手が海側で、このまま海に向かって傾斜しています。
 それにしてもこのお宿の木製門扉の重厚な事、歴史を感じますね。高さは4m以上あります。1階2階の両側はビジネススクールになっていますので3階がオスタルになります。オスタルとはオテル(HOTEL)の下の格付けで家族経営などの小規模な宿泊施設となります。因みにスペイン語でHは無声音で発音しません。中に入ると両側に石の階段が2階まで続いていてそして更にその上階の3階にオスタルはあります。階高が高いのとスーツケースを持っては上がれないのでエレベーターを使いましたがこれがまた古い。夜のエントランスホールの照明も薄暗くエクソシストのオープニングか恐怖映画に出て来る幽霊屋敷の様でうちの奥様は最初不安になりましたが、わたしは喜色満面で乗り込みました。この歯車を多用したメカニカルでスケルトンな古式ゆかしいエレベーターは一目で好きになっちゃいました。動く様をビデオまで撮っちゃいました。(非公開です)
 ところで、スペインでは地上階が0F、2階が1Fになります。ヨーロッパは大体その表記で、国によっては地上階はG、つまりグランド階表記となります。ですからエレベーターで3階に行こうと思ったら2Fを選ばないと更にひとつ上の階に行ってしまいます。わたしは慣れていますので間違えませんが、皆さまもヨーロッパに行ったらご注意を!
 

 西班牙(スペイン)旅行記に入る前に、まずは私事を先に記載致します。

 8月18日から8月19日まで一日入院して大腸ポリープの摘出手術を致しました。2カ所切除しまして無事終了です。わたしは二度目のポリープ切除で大腸の内視鏡検査も六度経験していますのでいつも通りでした。
 摘出後一晩泊まってから翌日退院しまして、更に翌日の今日8月20日土曜日は我が家のWAN雲谷斎武羅運陛下の抗がん剤投与の初日でした。
 朝一番の診察で10時過ぎにはもう終えて帰って来ています。皮膚つまり体表の腫瘍なので内臓に比べて血管があまり無いので抗がん剤投与は逆に相当強いものを多く投与する事になるので食欲不振、嘔吐、下痢などの副作用が現れ、最悪の場合死亡する事もあり得るとの事でした。しかし、投与してから一日を経過しても食欲があり、嘔吐や下痢などの症状が現れなければ治療を最後まで続ける事が可能だという事です。一週間毎の抗がん剤投与は注射と毎日三種類の錠剤を飲まさせなければなりません。それを4週続けるとほぼ腫瘍は消失します。しかしそれで完治した訳ではなく更に24週病院に連れて行かなければならない為、結構色々な面で負担は大きいと思います。しかし家族同様の可愛い武羅運くんを一日も長く生きて欲しいという思いは動物嫌いな妻とて同じで最後まで面倒を見ることにしました。それが飼い主の義務であり良心です。腫瘍は現時点で大小無数にあり数え切れないくらいですがそれが旨くいけば完治して再発はないとの事なので存命率は高くなります。人と同じく親しいものが一日でも多く生きながらえて欲しいと思うのは人情です。どうかお笑いにならないで下さい。因みに本日の治療費は血液検査も含め35,856円。これが毎週、27週間続けて完了となります。最初、治療を躊躇した理由はここにある訳ですが、人も動物も同じだろうと思い家族と思っている武羅運陛下の抗がん剤投与に踏み切りました。お金云々じゃないんですね。

今日のブラちゃん.jpg 
<今日のブラちゃん(動物病院にて:抗がん剤投与前)>

 今、武羅運陛下は僕の足下で微かな寝息をたてて眠っています。スペインから帰って来てからブラちゃんはすっかり甘えん坊になってわたしのそばを離れません。そしてここ一日二日は容態急変に備えて一時も目を離せなくなるので近くに置いておく事にしました。

 

<経過報告>2016.08.21.06:58

 今朝食餌を与えて食いつきも良く、これは大丈夫だと判断して小用の為少し目を離したらその間に嘔吐していました。その後戻した物をもう一度食べ始め完食しましたが息も荒く苦しそうです。15分経って今ちょっと落ち着いて来たかなという感じです。AMは動物病院も遣っていますので様子を見て相談したいと思います。

 今日が山です。これを乗り切れば抗がん剤投与の継続が可能です。ではでは。

機内食じゃありません.jpg機内食じゃありません2.jpg 

 さて、スペイン旅行二日目は首都マドリッドへの移動です。移動は車窓も楽しもうとスペイン国営鉄道のRenfeの超特急AVEでの移動となりました。日本にいるうちにネットで予約をしました。座席の等級は二等からあるのですが今回は一等にしました。何故なら食事が付いているからで丁度12:00AM出発のAVEに乗るのでそうしたのです。

 上の写真はどうでしょう。航空会社のエコノミークラスの機内食より量も質も格上だとわたしは思います。当然ドリンク付きで、わたしはオレンジジュースと白ワインを頼みましたがハーフボトルで出て来るので2杯は飲めます。ワイングラスではありませんでしたがそれなりのちゃんとした容器が配られ美味しく頂きました。ナイフやフォーク・スプーンなどのカトラリー類は地上を走っている交通手段の強みでしょうか、すべて金属製でずっしりと重く、飛行機のエコノミークラスでは味わえない贅沢感です。

 スペインではワインはVinoというのですが白がBlancoですから、"Vino Blanco, por favor."「ビノ・ブランコ・ポル・ファボール(白ワインを下さい)」といえば間違いなく通じます。因みに赤ワインの場合はVino Tinto<ビノ・ティント>となります。ロゼはRosadoです。ワイン生産量世界第2位のスペインは総じて白ワインが旨いとわたしは思います。フルボディーの赤ワイン好きの妻も今回はVino Blancoを絶賛しておりました。ちなみにシェリー酒はスペイン独特のものですが本場Jerez de la Frontera(ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ)のTio Pepeというブランドで有名なGonzalez Byass(ゴンザレス・ビアス)のボデガ(ワイナリーのこと)で飲みましたが最高の味でした。妻は移動中は重くなるからという理由で、帰りのバルセロナ空港内の免税品店でサングリアと共に一緒に買い求めていました。

 AVEでの昼食の後はCafe con Leche<カフェ・コン・レーチェ>を頂きました。conというのは入れる・入っていると云う意味でレーチェは牛乳の事です。つまりカフェラテですね。これも料金の中にすべて入っていますからお得感は相当なものです。それで二等と比べてそれ程高くはなくそんの少しユーロを上乗せするだけでこれだけのサービスを受けられるのですからスペインに来てAVEに乗るなら絶対一等のチケットを購入すべきです。

 乗車時間は丁度2時間半、最高時速は300km/hを超えていました。

 

これ何を作っているか分かる?.jpg何を作っているのでしょう2.jpg 

 さて、そうして着いたマドリッドではイギリスから前日に着いていたイングリッシュとウエルシュのご夫婦が出迎えてくれました。前回の英国旅行から二年振りの再会となります。この一週間後、今度は香港在住のチャイニーズの英語教師SANDYと会う手筈になっています。ところで上の写真は、英国人夫妻と落ち合う前に、まずは冷たいものを食べたい(その日のマドリッド気温は40℃)というわたしの要望で訪れたお店なのですが何を作っているところか分かりますか? これアイスクリームを作っているところなんです。ちなみに完成品はビデオにしか撮っていません。2枚目の写真はビデオ撮影中に誤ってスナップショットを撮ってしまったもので画質が落ちているのがはっきりと分かります。このビデオ、作る手順まで撮ったのですが、どう変換して1MBに抑えて作れば良いのか分からないし、調べるつもりもないので今回は割愛致します。 とにかく通常の作り方ではないのですが途中でどう作るのか分かりました。皆さんが見たら多分驚く様な作り方です。

 そしてその日の夕食は20:00過ぎに宿の隣りにある生ハムの名店で摂りました。その写真も割愛しようかな。その代わりとは云っては何ですが、下に一枚の写真を載せます。
 

マドリッド夕方.jpg 

 この写真を撮ったのは7月29日の事です。時刻は午後ですが何時だか分かりますか。答えは17:51です。ヨーロッパはサマータイムですから一時間早めますから日本では18:51の写真になります。つまり午後7時前の外の様子という事になります。この時点で気温は38℃です。俄には信じられませんね。でも本当の事です。

 では何故そうなるのかご説明致しましょう。まず気温については内陸性気候であるマドリッドだから夏は海側に比べて高温になるという事で了解頂きたいと思います。

 スペインの日照時間について説明致します。地球の時刻はグリニッジ標準時を基準にして経度毎に時間を割り振っています。そして英国とスペインではほぼ同じ経度ですが、実は-1時間スペインの方が早い時間になっています。それはヨーロッパ標準時にスペインが合わせているからで、このヨーロッパ統一の時刻は東はハンガリー辺りから西はスペインまで経度にすれば2時間以上、おそらく3時間も違う地域もあるのではないかと思われます。それなのに統一したひとつの時間になっています。もちろんそうした方が色々と都合が良いからしているのでしょう。因みにわたしは昨年8月初旬にハンガリーのブダペストに行きましたが18時半頃はこれから徐々に夜の帷も降りようという暗さで本当に黄昏時という感じでした。スペインの黄昏時は7月下旬の時点で22時少し前くらいでした。東と西ではこれ程日照時間が違います。日照時間が経度の違い以上に違って感じられるのは経度だけでなく緯度でも違って来るからです。緯度が高くなればなるほど、つまり北極・南極に近づけば近づくほど日照時間は長くなったり短くなったりします。ですからスコットランドのエジンバラ訂正8/20,21:40インバネスは緯度としてはノルウェーのオスロの少し下くらいなので北欧並みに夏は白夜に近い光景が見られる筈です。シェットランド諸島に至っては更に北になるのでもう完全に北欧です。緯度が高くなれば白夜が見られるというのは学校で習ったりテレビの紀行番組などで見たりして皆知っている事と思います。しかし、こうして実際に経験するとそれが肌で分かってより一層理解が広まる訳です。これは講義や読書といった座学やTVやネットの世界だけではどうしても分かり得ない事柄だと思われます。

 今回の旅行中に経験した最高気温はセビーリャの46℃です。この日は午後8時近くでも気温は42℃でした。セビーリャもマドリッドと同じ内陸性気候です。しかし体感的に一番暑く感じたのはコルドバの42℃でしたね。メスキータに向かう途中、ユダヤ人街の花の小径を歩いている時が無風で一番暑かった様に思います。殆どグロッキーで、今すぐにでも服を着たままでも頭から全身に冷たいシャワーを浴びたいと思ったほどです。

 割愛するのは忍びないので、最後にこの日夕食に食べた生ハムの写真を載せて今回の記事を終えたいと思います。前菜で食べたのは生ハム専門店Museo del Jamon ムセオ・デル・ハモン(レストラン併設)のイベリコ豚の生ハム Jamon de bellota iberico 〈ハモン・デ・ベジョータ・イベリコ〉です。でもバルセロナのレストランで食べた同じ生ハムの方が盛り付けも味も上だった様な(笑)

まずは生ハム.jpg 

 あ、ビール(スペインではCerveza<セルベッサ>)は当たり外れがなく何処も旨かったなぁ。暑いから特に旨く感じたのかも。

 それにしても普段本当に全くアルコール類を嗜まないわたしが、朝からビールやワインを飲んでいたとはこれ驚きでした。スペイン人は仕事中でも平気でアルコール類を摂ります。昼食は14:00からでこの時に飲む訳ですね。ですからスペインでは14:00からがアフターヌーンです。14:00から2時間掛けてランチを摂ります。その後のシエスタ(午睡)の習慣は大分薄れてきたとの事ですが、観光客相手のお店でも無い限り14:00~17:00or18:00までお店は一旦閉まります。企業なども同様です。それを知らないと少し慌てる事になります。

 <追 記> 2016.23:03

 ところで毎度の事ですがわたしの紀行文は物見遊山ではけして終わりません。そこに思索的なわたしの性格が反映され、文学的表現もいずれ散見される事になります。
 次回は今回の旅行で実際にあった事で、わたしの考えがはっきりと示されています。それだけでも単なる観光でスペインを訪れた訳ではない事が分かるでしょう。わたしは目的無き行動はしません。日常を離れた旅行でも然り。

 


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コメント 4

枝動

こんばんは。
笑おうはずがありません。
by 枝動 (2016-08-20 22:19) 

たいへー

私がヨーロッパの地を踏むことがあるだろうか・・・
生ハムは魅力的だけど。^^
by たいへー (2016-08-25 08:04) 

U3

☆枝動さんへ
 ブラウン陛下の第一回目の抗がん剤治療は一日目のヤマを乗り越え何とか治療を続けられる迄になりました。そして今日は第二回目の治療です。二回目は初回より大分弱い種類の抗がん剤なので副作用もそれ程は出ないだろうとの事です。次は初回と同じものを、そして四回目は一番強く副作用もそれなりに強い抗がん剤投与(注射です)人間のインフルエンザ注射の3倍くらいの量を一度に打ちます。見ていても辛いですね。これがあと25週続きます。
by U3 (2016-08-27 07:11) 

U3

☆たいへーさんへ
 行く気になれば行ける世の中です。
生ハムは日本のスーパーやデパートでも売っていますが、輸入品でないなら、しかもスペイン産でないならやはり味は落ちます。
by U3 (2016-08-27 07:14) 

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