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「日本の進むべき道」・・・ひとつの提案(其の参) [随筆]

20140815の夜明け.jpg 

 <2014.08.15 帰国の途上KL0861便の機内の窓から極東シベリア上空の夜明けを見つめる> 

 スコットランド・イングランド・アイルランド・ウェールズの旅から三週間振りに帰って来ました。

 その間日本では様々な出来事があった事はwebを通してリアルタイムに知っています。同時に日本では知り得ない多くの情報にも接する事が出来ました。便利な世の中になったと思う反面あまりの情報量の多さに、その取捨選択が難しいと感じました。わたしは時に恣意的注1)ではあるけれども直感的にものごとの本質に到達できると確信しています。それもこれも(時に逸脱する事もありますが)予断を持って物事を判断せずニュートラルに考えを保つ事を常々心掛けているからです。しかしそれも複数の情報、できればより多方面からの情報があったればこそ成立する話で日本国内からでは幾らwebが発達したからといっても情報には限りがありますし、知りたい情報にアクセスするには相当の時間が掛かる感は否めません。

注)1 「恣意的」とは広辞苑第六版によれば①論理的に必然性がない様。 ②自分の好みや思い付きで行動する様。とあり、「あるもくろみを持って行う様」という解釈は誤りです。 

 ご存じの方は多いと思われますが日本で報道されている事と英国で報道されている事はまったく違います。同じ出来事でもその内容が異なるのです。例えばイスラエルとパレスチナの戦闘は日本では米国の目(USメディアや政府報道官)を通してしか報道されません。しかし英国ではBBCとアルジャジーラ(もちろん英国(UK)向けの英語放送)が平等に扱われ一切カットされる事なく報道されているのでその公平性と真実性は監視機構や制裁措置のない日本の報道に比べて極めて高いと感じました。それと同時に日本の報道がいかに歪曲され真実からかけ離れているのか知る事が出来ました。便利な世の中になったといえども日本に留まっていては世界の真実は何一つ見えて来ないのです。この事一つを取ってしても今の日本の若者が海外に出たがらないという現実には危機感を覚える次第です。

 日本の若者よ、世界に出(い)でよ!

 こんな引退間近いしがないオヤジでも日本を飛び出せば色々な事が見えて来ます。日本の中で日本の事を考えるよりも世界から日本を見る方が遙かに良い事に気づくのです。さあ日本のガイドブックに出ていない世界を見に行きましょう。それが自分を成長させることにあなたは気づく筈です。

a old LandRover1.jpg 

<レンタカーじゃありませんよ。エジンバラで早朝の散歩をしていたら偶然見つけたOLD Land Roverです。1948年から製造された一番古いランドローバー1シリーズと考えられます。いつもジープに乗っておられる駅員3がご覧になったらさぞかし喜ばれた事でしょう。友人のDavidにも画像を見せましたが驚いていました。(個人情報保護の為ナンバープレートはレタッチで消しました。ご了承願います) 

 今回の旅は7月29日にエジンバラに向けて日本を飛び立ちました。旅行の目的はわたしの第二の故郷であるウェールズへの里帰りですが、うちの奥様から常々スコットランドもいいよと云われていたものですから、まずはそこからうちの奥様も行ったことのない場所へ行って見ようと思いひとりで計画しました。別系統ではありますがウェールズと同じケルト系民族が祖先のスコットランドには是非行かなければならないと思っていたので今回の旅行の実現には満足しています。わたしは忙(せわ)しないのは苦手でツアー旅行は詰まらないしゆっくりできないので今回の旅は初めから個人旅行でプランしました。計画自体は昨年のマレーシア旅行が終わってから始めて今年の2月にすべての予定と予約を済ませました。

 エジンバラでレンタカーを借りスコットランドに一週間滞在し、その後湖水地方北部に車で移動してトレッキングをして遊び、マンチェスターで車を返して列車でウェールズに行き、友達の家に一週間滞在するという計画です。全部で18日間の旅でした。色々なハプニングや事故もありました。予定になかったアイルランドへの旅(とはいっても首都ダブリンだけ)も瓢箪から駒といった感じで何故か行ってしまいました。本当に面白かったです。のちのち今回の旅行についても機会を別にしてお話ししたいと思っています。

 

 さて、今回の旅行の主目的は第二の故郷であるウェールズへの里帰りですが、その中には付き合いが三十年近くになる妻を介しての友人であるウェールズ人のデイビッド(David)とイングランド人のクリス(Christine)夫妻との旧交を温めることも入っていました。三年前の旅行でもお世話になったご夫妻です。

 このご夫妻は世界各国で英語の教師をしていたので香港やタイで教師をしていた頃に二度日本に来られて妻とわたしが日本各地を案内しました。まあ当時はわたしは会社員だったので休日を利用して日光各地を車で廻ったり鬼怒川温泉に泊まったりぐらいしかお世話しませんでしたがご夫妻にとってはとても印象に残ったとのことです。ちなみにデイビッドとは温泉で裸のお付き合いをさせて頂きました。日本の温泉旅館に泊まり、浴衣を着て、裸で大浴場の露天風呂に入り、ふかふかの蒲団で寝るという経験は初めてだった様で、印象を聞くとご当人は

”Fantastic !” と云って居られたと記憶しています(笑)

 

 旅行の話は後日に譲るとして今回はそのデイビッドとの会話の一部を紹介して話を終えたいと思います。リビングで二人でBBCニュースを見ていたらガザ地区の紛争が映し出されていました。妻とクリスはダイニングで話をしていましたのでリビングには二人きりでした。

 TVの報道を見てわたしを振り返りデイビッドからこう聞かれました。

 「U3はガザでの出来事をどう思うか?」

 ・・・実を云うと、というよりも以前からご存じの様にわたしは英語の理解(ヒヤリング)は何とか出来ますが英語を殆ど話せません。しかし現代ではそんなわたしにも強い味方があります。iPhoneの翻訳アプリです。日本語で話し掛けたものが英語でスピーチされるものと、日本語で入力されたものが英訳される二種類のタイプを入れていますが今回は後者の英訳される方でデイビッドとの会話にトライしていました。上でも記したようにデイビッドは英語の先生ですから下手な英語は通用しません。これら翻訳アプリというよりもすべての翻訳アプリに共通する事ですが日本語入力にはコツがあります。それを踏まえて入力しないと正確な翻訳がされませんし、口語体と文語体の使い分けも出来ないので相手に正確に自分の考えを伝えようと思うと結構神経を使います。長い文章の場合は複数回の修正が必要な場合が殆どですが時間を掛ければほぼ完璧な翻訳が可能です。しかしわたしは以前から何度も翻訳アプリを使っているのでそのコツを殆どマスターしています。今回はネイティブスピーカーしかも世界各国で教鞭を執っていた元英語教師に向かって翻訳しようというのですから実に大胆な試みでした。

 しかしそのチャレンジ精神で靖国問題や安倍内閣における集団的自衛権行使の閣議決定までわたしの考えを話した上に英語で議論までしてしまいました。これらはすべてデイビッドからの質問から始まったもので英国ではこれら日本の政情や国際問題がきちんと報道がされているなと感じました。おかげで有意義な議論と相互理解が出来て実に楽しい一時でした。これも拙いわたしの英語力をデイビッドが理解しようと辛抱強く努力してくれなおかつ適切なアドバイスをしてくれたお陰です。実はウェールズを去る前日にウェールズ語のレッスンまでして貰いました。それはわたしの望んでいた事なのでその心遣いはとても嬉しかった。

 余談ばかりになってしまったので最初の話に戻りましょう。 わたしはガザ地区の問題についてこう答えました。

 「日本や米国では顕著だがこの二国を除いた世界の報道も、UKに於いてさえも完全には真実を伝えていないと感じている。伝えられていないのは本当に悪いのはイスラエルだという真実だ。」わたしの答えにデイビッドは少し驚いた様だがわたしの意見は肯定された。デイビッドは知っていたのだ普段イスラエルの人々がどれだけパレスチナ人を迫害し侮蔑してるかを。

 「それを直視し現状を是正しない限りいつまで経ってもパレスチナは問題であり続けるだろう」とわたしは言葉を続けた。

 デイビッドは云った。「U3のいう直視とは何か?」

 わたしは答えた。「パレスチナはパレスチナ人のものでありその主権を全面的にイスラエルが認める事だ。それ以上でもそれ以下でもない。イスラエル人はパレスチナの地では居候なのだという事実を認識すべきだ」

 デイビッドはこの答えに満足したようだ。勿論この会話がすんなり出来た訳ではない。理解して貰えないのはその時点の翻訳精度が低いからで、デイビッドからの意思表示でそれを感じ取ったわたしは日本語入力の表現やセンテンスを入れ替えした上で翻訳精度を高めていった。辛抱強いカンバセーションを通したコミュニケーションと相互理解は本当に素晴らしい。国際間の紛争もこの様にうまくいけば良いのに思った。

 ところで靖国神社参拝問題と集団的自衛権の本題はどう話し合ったかも皆さんは知りたいでしょうね。その答えはまたの機会に譲りますがデイビッドは理解してくれた上、わたしの考えを肯定してくれましたし支持までしてくれました。

 わたしは「日本に集団的自衛権は必要ない。日本はそんなものを行使しなくても自国や自国民を守る事が出来る。その答えをわたしは持っている」と云いました。

 デイビッドは「それはどういうものだい?」と聞いて来た。

 わたしは答えた。「それは日本が永世中立国になる事だ」

 「実に素晴らしいアイデアだ。U3が日本の大統領になれば良いんじゃないか?」

 わたしはそれにこう答えた。

 "I am not polician. And do not the President to japan. Just there are Prime Minister by following the United Kingdom"

 

 今回の最後にスコットランドの最高の写真をお目に掛けましょう。日本にはない絶景です。ちなみに滞在した三日間この島で日本人はわたし達夫婦以外一人も見掛けませんでした。

The Oldman of Stor. At Isle of Skye.jpg 

 

 ではまた後日このブログでお会い致しましょう。

 明日安曇野に向けて出発します。

 ※8月20日追記: 旅行や遊びではありません。仕事再開のため安曇野に戻ります(笑)

 ごきげんよう。 

 

 


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コメント 32

枝動

こんにちは。
無事に帰国され、ひと安心しました(^^)
by 枝動 (2014-08-16 15:57) 

侘び助

私も思います。公の場で意見を述べて欲しいですね。
私は最近の政治家たちの話(国民を置いて自分たちの理想を追っている)
どれがいいのか・悪いのか・・・こんなに疎い事ではダメとは思いながら
最後は老いの戯言でENDに・・・
by 侘び助 (2014-08-16 16:41) 

くまら

日本が永世中立国に??
理想ではあると思いますが・・・
by くまら (2014-08-16 17:52) 

U3

 日本と英国(ユナイテッド・キングダム)はサマータイムで8時間の時差があります。三年前にUKから帰って来た時は時差ボケの解消に四日を要しましたが今回は翌日である今日には解消しました。やはり機内で日本の時間に合わせて寝ていたのが良かったようです。それと直通便ではなくヨーロッパのハブ空港でトランジット(乗り換え)したのも良かったと考えています。一度で目的地に着けるのは理想ですが12時間以上飛行機のそれもエコノミーの席に座るというのは拷問以外の何ものでもありません。その点今回は行きの日本からエジンバラまでの直通便が一つも無かった事が幸いし、帰国時もヒースロー空港からアムステルダム経由だったのでオランダスキポール空港から成田までは10時間の旅で限界を迎える前に帰国することが出来ました。それでも右足は到着の日は痺れていました。血栓は出来ていなかったと思いますがエコノミー症候群一歩手前であった事は確かです。
 ご参考までに・・・。
by U3 (2014-08-16 20:06) 

旅爺さん

北欧の旅は大いに楽しめた様で良かったですね。
余韻冷めきらぬうちに今日からは安曇野ですか、もう今頃は家を出たかな? 楽しんで来て下さいね。
by 旅爺さん (2014-08-17 06:22) 

駅員3

ランドローバー、良いですね!
ジープを買うときの候補車の一つでした(*^_^*)

小学生の頃、日本国憲法を学んで、「何故こんな素晴らしい平和憲法を持っていて、何故スイスのような永世中立国では無いのか?」という素朴な疑問を持ちました。
by 駅員3 (2014-08-17 08:02) 

駅員3

追伸 失礼しました。安曇野行、お気をつけて!
by 駅員3 (2014-08-17 08:05) 

hatumi30331

今日から安曇野ですか?
昔は、夏に時々行ってました。^^

日本の若者・・・
もっと熱くなれ!!もっと語れ!!って・・・・・
いつも思うのです。
自分の意見を持つこと。それを語り合う相手をもつことは
すごく大切なことです。
by hatumi30331 (2014-08-17 12:26) 

U3

今日から安曇野で仕事再開です。
by U3 (2014-08-18 13:14) 

U3

時差ぼけ解消といいながら何故か今日になって時差ぼけ再発。
仕事復帰初日からキツイ!!!
安曇野は昨日は激しい雨が降りました。
ここのところ結構天候不順です。
by U3 (2014-08-18 16:14) 

U3

エボラ大丈夫かと仕事場の皆に聞かれました(笑)
機内でナイジェリアの男性が隣に座りましたが別に何でもありませんでした。
英国や欧州各国では日本以上にエボラ出血熱の脅威を感じているのは当然でしょう。日本も例外ではないと思います。
by U3 (2014-08-19 08:02) 

U3

いまウェールズ語のコワイア(男性合唱団)を聞いています。
いいですね。
by U3 (2014-08-19 13:00) 

mamii

日本が永世中立国に・・・・もう、遅すぎます。
by mamii (2014-08-19 17:15) 

般若坊

中立国である為には、何処からも侵略されない武力と国民の強い意志が必要です。
日本を守りきる国民の意思が明確であって、かつ挑発されないと云う環境作りがあってこそ、中立は成立するものだと思います。
日本は中立だ!と宣言するだけで、中立国にはなりませんよ!
by 般若坊 (2014-08-19 20:04) 

ため息の午後

若いうちに広く世界に目を向け正しい知識を
身に着けることは日本の未来に有意義なこと
ですよね。今度は安曇野ですか、お気をつけて(笑)。
by ため息の午後 (2014-08-19 21:33) 

吟遊詩人41

古いクルマなのにウインカーが付いてるんですね(゚д゚)!
by 吟遊詩人41 (2014-08-19 22:56) 

U3

☆枝動さんへ
 遅まきながらご心配お掛け致しました。みやげ話UPする積もりです。
by U3 (2014-08-20 08:22) 

U3

☆侘び助さんへ
 小さく閉じこもりがちな今の若者にはもっと世界に羽ばたけといいたいです。
ロンドンに住む妻の友人はホームステイを引き受けているのですが日本の特に男の子は部屋に閉じこもってばかりで食事の時しか部屋を出てこないそうです。日本での家庭環境がそうさせたのは容易に想像がつきますがこれは一種の社会問題だと思います。
by U3 (2014-08-20 08:27) 

U3

☆くまらさんへ
 理想は理想で終わらせない強い意思が必要でしょう。
by U3 (2014-08-20 08:28) 

U3

☆旅爺さん様
 安曇野は仕事です(笑)
by U3 (2014-08-20 08:29) 

U3

☆駅員3さんへ
 やはりそう思いましたか?
安曇野行きは遊びではなく仕事場に戻る為です。
18日から仕事再開しています。
by U3 (2014-08-20 08:31) 

U3

☆hatumi30331さんへ
 皆様勘違いされていますね。安曇野行きは仕事です。
若者の前途が今の状態では不安です。
by U3 (2014-08-20 08:32) 

U3

☆mamiiさんへ
 良き事は遅きに失することはございません(笑)
by U3 (2014-08-20 08:34) 

U3

☆般若坊さんへ
 前ブログでもそのことは書いていますよぉ~(笑)
スイスの例を見るまでもなく自分の国は自分で守りぬく覚悟が永世中立国たらしめていると思います。歴史を振り返って見ても、防衛力を持たなかったお隣のオーストリアは二度もドイツの侵略を受け結局永世中立国を返上しています。おっしゃるとおり覚悟が必要だと思います。それと他国の承認も必要です。
by U3 (2014-08-20 08:38) 

U3

☆ため息の午後さんへ
 あれっ!安曇野行きの目的また勘違いされてるぅ~(笑)
by U3 (2014-08-20 08:39) 

U3

☆吟遊詩人41さんへ
 1946年以降生産開始なので付いていると思います。
by U3 (2014-08-20 08:40) 

silverag

遅くなりました・・・お帰りなさい
日本の暑さすごいでしょう
安曇野は涼しいでしょうね
by silverag (2014-08-21 11:39) 

U3

☆silveragさんへ
 今日の安曇野は35℃の猛暑日です。
 安曇野は朝晩は過ごしやすいですが日中は平均で32℃程度と結構暑いです。
とにかく一日の温度差が15度以上の日が結構有り非常に落差のある土地柄です。湿度は千葉ほどは高くないので幾分過ごしやすくはあります。
by U3 (2014-08-22 08:16) 

yakko

こんばんは。
英国から安曇野へ〜〜〜 お元気ですネ(^_^)
by yakko (2014-08-22 21:32) 

U3

☆yakkoさんへ
 元気はないのですが仕事ですから。
by U3 (2014-08-23 18:50) 

なかちゃん

日本は報道機関までがグルになって国民を欺いているのですね。
パレスチナはパレスチナ人のものであり~イスラエル人はパレスチナの
地では居候なのだ…の部分、その通り。大変素晴らしいと思います ^^

by なかちゃん (2014-08-26 10:22) 

U3

☆なかちゃんさんへ
 この考えはわたしの考えですがその元となった事実は米国のある一人のジャーナリストのネットへの寄稿にあります。このジャーナリストが実際にパレスチナに行って見た現実から米国は間違っているとネットに寄稿したものを読んではじめて現実の一部を垣間見たのです。
 歴史の歪曲は米国だけでなく中国や韓国、そしてロシア、イスラエルもやっていることです。ただそれを知りながら黙認しちゃいけないということはいえるでしょう。
 どの国にもそれを正す人はいますがしかし日本には何故か現われない。和を尊ぶのは良いことだと思いますが不正を見逃しては日本人の良心は消えたといわれても仕方がないでしょう。
by U3 (2014-08-28 12:31) 

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