2023年元日の検見川浜と幕張海岸を写す⑦ [心象風景]
<美浜大橋の検見川浜側の橋の袂から撮影>
斜めに突き出た花見川の突堤と橋の欄干。
そして美浜大橋を飾る鴎のオブジェ。
それらを前景にした、遠くの富士のシルエットが映える。
思わず、防風ジャケットの、ポッケにしまっていたスマホを再び取り出す。
橋の上は浜辺以上に人だかりがしていた。
本当は橋の上は駐車も停車も禁止だが、
そしてそれを取り締まるパトカーまで来ていたが、
パトカーの拡声器からそのことを知らせるアナウンスが流れても、
人々が車に戻る気配は一切ない。
私は徒歩だから取り締まりとは無縁だが、
何枚か撮り終えたところで早々と切り上げることにした。
皆襟を立て肩をすぼめて富士のシルエットに魅入っている。
それを見てこれ以上続けられないと悟ったのだ。
今年の元日は日の入りの時刻が近づいてくると、次第に風が強く吹き付けて来て、
日没のずっと前から手が悴(かじか)んで冷たかった。
浜辺よりも、橋の上は殊のほか風が強く、いまや手指の感覚がない。
スマホを急ぎポケットにしまい、
手袋をしてその両手をハンドウオーマーに突っ込んだ。
さあ、家路に就くとしよう。